たまたまネットで見つけまして、早速購入しました。来年のカレンダーです。
「手すき和紙 MINOGAMI きよこハウス」さんという工房の製品で、「前向きことばーやる気が出る名言ー」というタイトルです。
手漉きの美濃紙製で、縦ほぼ47㌢、横おおむね15㌢。手漉きということで、1枚の大きさが微妙に異なっていまして、味わいを感じます。留め具は木製で、そこがまた温かみを醸し出しています。
1ヶ月1枚プラス表紙の13枚。毎月、「やる気が出る名言」が一篇。
いきなり1月が、光太郎の「道程」(大正3年=1914)から、「僕の前に道はない 僕の後ろに道は出来る」です。
絵の部分、それから文字も原画が切り絵だそうで、これもまたほっこり系ですね。
2月以降は以下の通り。ちなみにそれぞれ英訳がついています。
2月 夢見ることをやめたときその人の青春は終わるのである 倉田百三
3月 なんでもやってみなはれ やらなわからしまへんで
鳥井信治郎(サントリー創業者)
4月 いいことがある ますますよくなる きっとよくなる かならずよくなる
中村天風(実業家)
5月 無理をするな 素直であれ 種田山頭火
6月 雨ダレ石ヲウガツ ことわざ
7月 あの黒雲の後ろには太陽が輝いている 新渡戸稲造
8月 夢中で日をすごしておればいつかはわかる時が来る 坂本龍馬
9月 かれはかれ われはわれ でいこうよ 大久保利通
10月 捨てる神あれば 拾う神あり ことわざ
11月 笑われて 笑われて つよくなる 太宰治
12月 ふまれても ふまれても 青空を見て微笑むなり 我はおきあがるなり
星は我に光をあたえ給うなり 武者小路実篤
1部3,456円(税込)、送料290円です。きよこハウスさんサイトに注文方法が記されています。
ぜひお買い求め下さい。
【折々のことば・光太郎】
同君の郷土に対する熱情はなみなみでなく、深く郷土の地霊を思ひ、郷土の天然、郷土の人事、郷土の祭祀、郷土の暦日、ことごとく同君の最も大切な心の奥のいつきの宮となつてゐる。
散文「真壁仁詩集「青猪の歌」序」より 昭和19年(1944) 光太郎62歳
真壁仁は山形出身の詩人。早くから光太郎と交流がありましたが、さらにこの詩集『青猪』序文を光太郎が書いたことが契機となり、亡き智恵子の紙絵の約3分の1を山形の真壁の元に疎開させることとなりました。ちなみに「青猪」はカモシカの異名です。
光太郎自身、およそ一年後に東京を焼け出され、花巻郊外太田村で農耕自炊生活に入り、北の大地を郷土とするような詩を書き始めるとは、思ってもいなかったことでしょう。