アートオークションでの光太郎の父・高村光雲作品出品情報です。 

第587回毎日オークション 絵画・版画・彫刻

日 程 : 2018/10/20(土) 14:00~  
下見会 : 2018/10/18(木) 10:00~18:00 10/19(金) 10:00~18:00 10/20(土) 10:00~13:00

光雲作の木彫2点が出品されます。

番号順にまず、「大聖像」。像高20㌢ほどの小品です。

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「大聖」とは、徳を積んだ人物の意で、ここでは孔子を指します。ほぼ同一の図題の作品は他にも存在が複数確認されています。左下は信州北野美術館さん、中央は敦井美術館さん、右下は札幌芸術の森美術館さんの所蔵です。

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続いて「聖徳太子像」。

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こちらにも、同一図題の作品が存在します。島根県立美術館さん所蔵のものです。

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また、牛と人物を配した作品は他にもあります。

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こちらは「牛と童子」という題が付けられています。個人蔵の作品です。他に、画像はありませんが、老子や蘇東坡と牛を配した作品もあるとのこと。

今回出品の2点、然るべき所に収まって欲しいものです。


【折々のことば・光太郎】

水野君は三田綱町だつたか四国町だつたかに居り、私は駒込林町に居り、互に訪問しては果てしない散歩につれ出して、歩きながらあらゆる問題に触れて語り合つたものであつた。鷗外の翻訳、国男、藤村の詩から、多田親愛のかな文字の書に至るまで、凡そ問題になるものは悉く取り上げでよく激論した。
散文「水野葉舟君のこと」より 昭和22年(1947) 光太郎65歳

親友であった作家・水野葉舟の追悼文の一節です。

冒頭部分では「水野葉舟君は私のたつた一人の生涯かけての友達だつた」と述べています。光太郎壮年期以降は、年少の芸術家たち――草野心平、尾崎喜八、高田博厚ら――が集まってきましたが、同年配で、青年期からの長い間の交友があったとなると、葉舟しかいなかったようです。