東京小平から企画展情報です。
明治150年記念特別展 彫刻コトハジメ
期 日 : 2018年9月14日(金)~11月25日(日)会 場 : 小平市平櫛田中彫刻美術館 東京都小平市学園西町1-7-5
時 間 : 午前10時~午後4時
料 金 : 一般…800円(650円)、小・中学生…150円(110円)
( )は団体20人以上
( )は団体20人以上
休館日 : 会期中無休
平成30(2018)年は、明治元年からちょうど150年にあたります。
明治時代は江戸時代まで続いた封建社会に代わって、天皇を中心とする新しい国家体制が築かれるとともに、西洋文明を盛んに取り入れながら、産業、交通、教育など様々な分野で急速に近代化が進められました。
美術の世界も例外ではなく、明治9年開校の工部美術学校における西洋美術教育や世界各国で開催された万国博覧会への参加を通じて、日本の長い伝統を持つ造形世界と並行しつつ、あるいは互いに影響しあいながら、新たな表現が生まれていきました。広く知られるように、「美術」「彫刻」という、私たちにとって馴染みのある言葉が誕生したのもこの時代のことでした。
今、この明治時代の彫刻が関心を集めています。今日彫刻の表現が多様な拡がりをみせ、絵画、工芸、建築といった他ジャンルとの境界が益々曖昧となっていくなかで、彫刻という言葉と概念が形成された時代まで遡り、彫刻の出自を見極めたいという欲求が人びとの間で高まっているのかもしれません。
本展においても、明治150年という記念すべき年に、こうした問題意識を軸にして、「博覧会」「銅像」「美術教育」「展示空間」「美術団体」といった様々なキーワードを重ねながら、初公開作品を含むおよそ60点の彫刻作品とともに、この時代における彫刻の特性を浮き彫りにしたいと思います。
明治時代は江戸時代まで続いた封建社会に代わって、天皇を中心とする新しい国家体制が築かれるとともに、西洋文明を盛んに取り入れながら、産業、交通、教育など様々な分野で急速に近代化が進められました。
美術の世界も例外ではなく、明治9年開校の工部美術学校における西洋美術教育や世界各国で開催された万国博覧会への参加を通じて、日本の長い伝統を持つ造形世界と並行しつつ、あるいは互いに影響しあいながら、新たな表現が生まれていきました。広く知られるように、「美術」「彫刻」という、私たちにとって馴染みのある言葉が誕生したのもこの時代のことでした。
今、この明治時代の彫刻が関心を集めています。今日彫刻の表現が多様な拡がりをみせ、絵画、工芸、建築といった他ジャンルとの境界が益々曖昧となっていくなかで、彫刻という言葉と概念が形成された時代まで遡り、彫刻の出自を見極めたいという欲求が人びとの間で高まっているのかもしれません。
本展においても、明治150年という記念すべき年に、こうした問題意識を軸にして、「博覧会」「銅像」「美術教育」「展示空間」「美術団体」といった様々なキーワードを重ねながら、初公開作品を含むおよそ60点の彫刻作品とともに、この時代における彫刻の特性を浮き彫りにしたいと思います。
主な出品作家 朝倉文夫 石川光明 荻原守衛 高村光雲 平櫛田中 山崎朝雲 山本瑞雲 米原雲海 他
関連行事
(1) 特別展記念講演会「日本彫刻のはじまり」
日時:9月22日(土) 午後1時30分~
会場:放送大学東京多摩学習センター
講師:佐藤道信(東京藝術大学教授)
申込み:事前申込み不要
日時:9月22日(土) 午後1時30分~
会場:放送大学東京多摩学習センター
講師:佐藤道信(東京藝術大学教授)
申込み:事前申込み不要
(2) 学芸員による美術講座
日時:9月29日(土)、 10月6日(土)、19日(金)、11月7日(水)、17日(土)
各日 1回目午前11時~、2回目午後2時~(※10月6日は1回目のみ)
会場:小平市平櫛田中彫刻美術館
料金:無料(ただし、観覧料が必要)
(3) 江戸糸あやつり人形一糸座「人形浄瑠璃公演」
日時:10月6日(土)、7日(日) 各日とも午後2時~3時
会場:小平市平櫛田中彫刻美術館 記念館
料金:無料(ただし、観覧料が必要)
出演:江戸糸あやつり人形 一糸座
(4) ルネこだいら出前コンサート「魂の津軽三味線」
日時:10月28日(日) 1回目 午前11時~11時30分、 2回目 午後1時30分~2時
開場は公演の30分前
会場:小平市平櫛田中彫刻美術館 記念館(雨天時は展示館)
料金:無料(ただし、観覧料が必要)
出演:中山信人(津軽三味線)
(5) 秋のお茶会&菊展示
日時:11月2日(金)~4日(日) 午前10時~午後3時
費用:1席300円(別途、観覧料が必要)
定員:各日とも先着60席
協力:小平茶道華道友の会、愛菊会、JA東京むさし
(6) 秋のわくわく体験美術館ウィーク
日時:10月27日(土)~11月4日(日)
対象:小・中学生
内容:期間中、小・中学生は無料で観覧できます。 (同伴の保護者の方は観覧料が必要)
光雲の名が出品作家の中にありましたので、問い合わせてみましたところ、3点出るそうです。
まず、明治26年(1893)作の「楠木正成銅像頭部(木型)」。文字通り皇居前広場に建つ楠木正成像の木型の頭部です。したがって、なかなかの大きさで、像高約70センチです。平成14年(2002)に、茨城県近代美術館他を巡回した「高村光雲とその時代展」の際にも出品されています。
それから、昨年、豊橋市美術博物館さん他を巡回した「ニッポンの写実 そっくりの魔力」展にも出た「天鹿馴兎(てんろくくんと)」(明治28年=1895・個人蔵)、さらに、大黒さまと恵比寿さまが彫られた香盒(こうごう・香を入れる蓋つきの容器)も出るとのこと。そちら2点は拝見した記憶がありません。
他に、光雲の弟子筋や、光太郎周辺作家も目白押し。当方、来週には参上する予定です。皆様もぜひ足をお運び下さい。
【折々のことば・光太郎】
詩は個人の心の中に生まれるものではあるが、決して一私人の私的述懐に終るものであつてはならない。あくまで個人的であつて、しかも公けな、普遍性を持つてゐなければならない。はじめから誰にでも通ずる普遍性を心がければ必ず類型に堕して生命のないものになるにきまつてゐるが、さればとて自分一人のわたくし心をいぎたなく書き並べても詩の格は持ち得ない。一人に極まることが万人に通ずる道であるところに詩の妙味は存する。
散文「雑誌『新女苑』応募詩選評」より 昭和16年(1940) 光太郎59歳
「一人に極まることが万人に通ずる道である」というのが全ての事象にあてはまるというのが、光太郎の持論のようで、前年に書かれた随筆で、詩集『智恵子抄』にも収められた「智恵子の半生」(昭和)にも、「一人に極まれば万人に通ずるということを信じて、今日のような時勢の下にも敢て此の筆を執ろうとするのである。」の一節があります。