一昨日、郡山市公会堂での「第2回朗読パフォーマンス声人(こえびと)LIVE ∞生きる∞」を拝見し終え、愛車をいわき市に向けました。磐越道をいわき三和ICで下り、いわき市立草野心平記念文学館さんへ。このルートは、途中が物凄い山道なのですが、こういう場合のために、現在の愛車はRVです。

午後6時近くに到着。7,8月の土日は、午後8時まで開館していると言うことで、ありがたい措置でした。

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開催中の企画展「開館20周年記念 夏の企画展 宮沢賢治展 ―賢治の宇宙 心平の天―」に合わせ、館外から賢治がらみのオブジェなどがお出迎え。

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館内に入って、「あれっ」という感じでした。ロビーで、コンサート的な催しが行われています。チラシにはその旨の記述がなかったので、「あれっ」という感じでした。

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横田恭子さんのピアノに乗せ、緑川明日香さんの「銀河鉄道の夜」朗読。あとで聞いたところでは、企画展の関連行事として行っているわけではないので、チラシには載っていないとのことでした。

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緑川さんは、平成26年(2014)にいわき市芸術文化交流館アリオスで開催された「いわき賢治の会設立記念事業 賢治の宇宙 心平の天」の際に、光太郎の、「あどけない話」(昭和3年=1928)と「レモン哀歌」(昭和14年=1939)を朗読して下さったので、存じていました。

そちらがほぼ終了するところだったので、そのまま展示室へ。

当会の祖・草野心平と、宮澤賢治の交流についてのさまざま資料が展示されていました。生前に無名だったまま早世した賢治のプロデュースという部分では、光太郎もひとかたならず骨を折りましたので、光太郎がらみの展示も。

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光太郎関連は、花巻高村光太郎記念館さんの所蔵品が貸し出されており、初めてみるものではありませんが、興味深く拝見しました。また、一つの目玉が光太郎が揮毫し、花巻に建つ「雨ニモマケズ」詩碑碑文の書。久しぶりに拝見しましたが、迫力のある書です。

さらには「雨ニモマケズ」が記され、賢治歿後、その「発見」の現場に光太郎も立ち会った手帖も。これを光太郎が手に取って見て、「ホウ」と唸ったのかと思うと、感無量でした。


別室では、鉄の彫刻家・安斉重夫氏による賢治ワールドをモチーフにした彫刻群。こちらは撮影可でした。

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ロビーには、花巻高村光太郎記念館さんで開催中の企画展「光太郎と花巻電鉄」のポスターも。チラシは既に無くなってしまったそうで、多くの方にいらしていただきたいものです・

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その後、担当の小野学芸員や、緑川さん、横田さんらとお話をさせていただき、帰途に就きました。

会期は来月26日まで。ぜひ足をお運びください。


【折々のことば・光太郎】

地方的特殊性をどんなに深く持つてゐてもよいどころか、深く持つてゐればゐるほど良いけれども、その体格性能に於て少しも一般人類にはたらきかける素質を持つてゐないものである場合には、それは一地方的存在として終わらねばなるまい。

散文「芸術上の良知」より 昭和15年(1940) 光太郎58歳

「地方的特殊性」を深く持っていながら、それに加えて一地方的の存在から脱する「コスモス」を所持していたのが賢治だと、光太郎は別の機会に述べています。同じことは心平にも言えるような気がします。