毎年恒例、当会の祖・草野心平を顕彰する行事です。今年公開されたドキュメンタリー映画「一陽来復 Life Goes On」の舞台の一つとなった、福島県川内村での開催です。

第53回天山祭

期 日 : 2018年7月14日(土)
場 所 : 天山文庫前庭  福島県双葉郡川内村大字上川内字早渡513
         雨天時は村民体育センター 川内村大字上川内字小山平15
時 間 : 11:30~14:00
参加費 : 500円

今年で53回目を迎える、川内村の三大祭りの一つ「天山祭り」が7月に開催されます。このお祭りは名誉村民である草野心平先生の発案により、天山文庫の落成を記念して始められました。今では、草野心平先生を偲ぶお祭りでもあります。

人と人が出会い、土地のものを食べ、皆で飲み、親睦を深め、川内村の歴史ある文化の伝承とともに楽しんで頂けるお祭りです。
賑いとは少し違う、天山文庫前庭でのしっぽりとした雰囲気を味わってみてはいかがでしょうか。

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会場の天山文庫は、モリアオガエル生息地として有名な川内村が、蛙を愛した心平を名誉村民に選定して下り、その縁で心平が蔵書3,000冊を村に寄贈、昭和41年(1966)、それを収めるために、村人が一木一草を持ち寄り、ボランティアで建設したものです。建設委員には、光太郎の実弟で鋳金の人間国宝となり、光太郎顕彰のため心平と親しかった高村豊周も名を連ねていました。

祭りはその天山文庫の前庭、木漏れ日の中で行われます。

福島川内村・天山祭り。(平成25年=2013)

心平詩の朗読、郷土芸能の披露など、手作り感あふれるイベントです。

当日は郡山との往復、翌朝に郡山へ片道の、無料シャトルバスが出ます(要予約・川内村教育委員会生涯学習係 0240-38-3806)。

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残念ながら当方、岩手花巻の方に行っておりますので欠礼いたします。代わりにぜひ足をお運びください。


【折々のことば・光太郎】

巨匠が巨匠について語る言葉ほどわれわれ製作する者にとつて魅力と教訓とに満ちてゐるものはない。わけて前者が後者の単なる盲目的後継者でなく、後者より出でて、しかも後者の為し及ばなかつた領域にその芸術の特質を確立したほどの巨匠である場合、この魅力と教訓とは更に進んで無限の啓示となるのである。

散文「関義訳ブルデル「ロダン」序」より 昭和18年(1953) 光太郎61歳

ここでいう「前者」の巨匠はエミール・アントワーヌ・ブールデル。「後者」の巨匠はロダンです。ロダンより21歳年下のブールデルは、一時期、ロダンの助手を務め、昭和12年(1937)、ロダン評伝「LA SCULPTURE ET RODIN」を著しました。仏文学者・関義(せきただし)によるその日本語訳に寄せた序文の書き出しです。

ブールデルとロダンの関係、「単なる盲目的後継者でなく、後者より出でて、しかも後者の為し及ばなかつた領域にその芸術の特質を確立」云々、心平と光太郎の関係にも当てはまるような気がします。