昨日に引き続き、光太郎第二の故郷ともいうべき岩手花巻からの情報です。
地元紙『岩手日日』さんから。
地域の魅力 色鮮やかに ギャラリーBun 多田さんがポスター展 花巻
花巻市の元教諭で絵画サークル講師多田民雄さん(83)の作品展は、同市円万寺のアートスペース・ギャラリーBunで開かれている。地域の自然や名物に目を向け、色鮮やかなポスターに仕上げた20点を展示。多くの市民らが会場に足を運び、花巻の魅力を再確認している。25日まで。 同市高松にアトリエを持つ多田さんが、なめとこ山や胡四王山などを描いた「イーハトーブの山々」シリーズなどを出品。ほかに高村光太郎記念館や花巻人形、早池峰神楽などを題材とした作品も並ぶ。サイズは変形10号、ポスターカラーを用いて描かれている。
このうち「花巻で良かった」は、マルカンビル大食堂のソフトクリームを紹介した一枚。名物の10段巻きに客の満足顔を重ねた仕上がりがほほ笑ましく、ひときわ鑑賞者の目を引いている。
多田さんは同市高松生まれで、花巻中学校に15年間勤めるなど、長年古里の教育に尽力。花巻への愛着もひとしおで、「病気をした時に先輩教師に冬のくらかけ山に連れて行ってもらい、大自然に感動した。若い頃は自分のことばかりだったが、今は周囲に生かしてもらっているという思いが強い」と、地元に寄せる思いを語っている。
午前11時~午後5時。火、水曜休廊。問い合わせは同ギャラr-=0198(23)7275まで。
まったく花巻は絵になる場所や風物の宝庫です。
記事にあるマルカン大食堂のソフトクリーム、当方も一度、作法に従い割り箸で頂きました(笑)が、「ハンパない」の形容がぴったりです。
上記は、昨年創刊された花巻の情報誌『まち散歩マガジンMachicoco(マチココ)』さんから。
郊外旧太田村の、光太郎曰く「ここの疎林がヤツカの並木で、/小屋のまはりは栗と松。」(詩「案内」昭和24年=1949)という、緑に囲まれた山小屋(高村山荘)、高村光太郎記念館も、非常に絵になるビュースポットですね。
ぜひ足をお運びください。
【折々のことば・光太郎】
彼の群像のグルウピング、彼の人物のポオズの動勢。さういふものが皆彫刻家たる私を打つ。彼の画を見るといつでも強い電撃のやうなものを、私自身の彫刻本能にうける。あんな美しい感じの彫刻を一つでも作りたいと思ふ。
散文「ブレエクのイマジネエシヨン」より
昭和2年(1927) 光太郎45歳
「ブレエク」は、ウィリアム・ブレイク。18~19世紀の英国人画家です。ダンテの『神曲』の挿画を描いたことで知られています。
おそらく光太郎が傾倒したロダンも、大作「地獄の門」制作に際して参照したのではないでしょうか。