昨日が新聞休刊日だった関係でしょうか、一昨日行われた「第69回全国植樹祭ふくしま2018 育てよう希望の森をいのちの森を」の報道が、今日になってネット上にいろいろアップされました。

「智恵子抄」をモチーフにしたメインアトラクションに関し、さすがに地元紙は詳しく取り上げて下さいました。

まず『福島民友』さん。 

創作ミュージカル...福島の『今』表現 高校生が未来への希望を

 全国植樹祭記念式典のメインアトラクションでは、県内高校の演劇部やダンス部の生徒らが創作ミュージカルを披露した。「智恵子抄」で知られる二本松市出身の洋画家・紙絵作家の高村智恵子と、夫で詩人・彫刻家の高村光太郎をモチーフに大会テーマや県民が希望を持って未来へ進む姿を表現した。
 光太郎役を福島東高3年の安藤優希さん(18)、智恵子役を福島東稜高3年の平舘果菜絵さん(18)が務め、天皇、皇后両陛下の前で本県の復興と「今」を体いっぱいに伝えた。安藤さんは「震災で経験したことを演劇で精いっぱい表現することができた」、平舘さんは「震災から再起し、笑顔であふれる県民の姿を伝えることができた」とやりきった様子で話した。
 両陛下は高校生の熱の入ったミュージカルを、寄り添うような姿で鑑賞され、笑顔で拍手を送った。

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続いて『福島民報』さん。 

息吹空に届け 高校生感動呼ぶ劇 全国植樹祭

 南相馬市原町区で10日に開かれた第69回全国植樹祭は、県内の民俗芸能、復興を象徴するアトラクションが繰り広げられ、全国各地から訪れた来場者を魅了した。若者を中心とした県民が演劇や演奏を繰り広げ、復興に向かって力強く進む県民の姿を表現した。

 メインアトラクションでは県内の高校10校の演劇やダンスなどの部員約130人が音楽劇「あどけない話のその向こう」を披露した。「ほんとの空が見えた」。上演後、出演者からは飛びっ切りの笑顔がはじけた。
 詩「智恵子抄(ちえこしょう)」で知られる高村光太郎・智恵子夫妻と東日本大震災、東京電力福島第一原発事故からの復興を描いた作品。8分間の劇中に震災直後の放射能への県民の不安や困惑も織り込んだ。困難な中でも原発事故から「ほんとの空」を取り戻そうとする姿を描いた。
 智恵子を演じた福島東稜高3年の平舘果菜絵さん(18)=伊達市=は「重圧はあったが笑顔を心掛けた。両陛下がご覧になる中、練習成果を全部出し切ることができた」と手応えを語った。光太郎役で福島東高3年の安藤優希さん(18)=福島市=は「気持ちを込めて表現できた」と充実した表情だった。演出や指導を担当した郡山北工高の佐藤茂紀教諭(54)は「生徒の思いが伝わってきた。感動した」とねぎらった。

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全国紙でも大きく取り上げて下さればよかったのですが……。

それにしても、皇后陛下はこの後、過労のため38℃のご発熱だったそうですが、翌日には相馬市の原釜地区(こちらも智恵子ゆかりの地です)を訪れられ、雨の中、同地区や隣接する尾浜地区などの犠牲者207人の名が刻まれた慰霊碑に供花されたそうで、ありがたいことです。

これを機に、さらに被災地の復興が加速することを祈念いたしております。また、光太郎智恵子に対する関心が高まることも。


【折々のことば・光太郎】

日本へ来ると多くの西洋人は成長を止めて反芻を始め徘徊を始め説法を始める。リーチはまるであべこべだ。リーチは五月の若い薔薇の芽の様にまつすぐに、気力満ちて伸びた。

散文「リーチを送る」より 大正9年(1920) 光太郎38歳

「リーチ」は、明治40年(1907)、英国留学中に知り合ったバーナード・リーチです。

福島の若者達も、「五月の若い薔薇の芽の様にまつすぐに、気力満ちて伸び」て行ってほしいものです。