昨日、当方も講師を務めさせていただく朝日カルチャーセンター 朝日JTB・交流文化塾千葉教室の講座「愛の詩集<智恵子抄>を読む」をご紹介させていただきましたが、同じ朝日カルチャーセンター 朝日JTB・交流文化塾の札幌教室さんでも、光太郎に関連する講座がありますのでご紹介します。 

書道史アラカルト ―書と書道

期  日 : 2018年5月19日(土)
        札幌市中央区北2条西1丁目 朝日ビル4階
時  間 : 10:00-11:30
講  師 : 北海道書道展会員 中野層翠
料  金 : 2,052円

「アララギ」創始者の歌人斎藤茂吉は書を002よく書いていました。また、詩人で彫刻家の高村光太郎には「書について」という文章があり、書に造詣が深かったことがわかります。二人をはじめとする近代の文人が、書にどう親しみ、書をどのように捉えていたのか、彼らの言葉を通して考察してみます。そして、それが現代の書の見方・あり方につながっていることを確認したいと思います。

講師紹介 中野層翠 (ナカノ ソウスイ)
夕張市出身。北海道学芸大学卒業。札幌開成高校校長など歴任。道展運営委員長等で活躍。当センター「総合書道」コースの創案者。札幌市民芸術賞受賞。


もう1件、よみうりカルチャー宇都宮さんでも、書道系で光太郎。こちらは実作です。 

近代詩文を書く

期  日 : 2018年4/19、5/17、6/21、7/19、0018/30、9/20 
       すべて第3木曜日 途中受講可 見学・体験可
会  場 : よみうりカルチャー宇都宮 
        宇都宮市宮園町4-1 東武宮園町ビル5F
時  間 : 14:00~16:00
講  師 : 書道・絵手紙恒水会主宰 千金楽 恒水
料  金 : 受講料14,256円 設備費926円

近代詩とは、明治時代に伝統の束縛から脱して、欧米の詩体にならい、新時代 の思想感情を自由に歌った詩とあります。高村光太郎、与謝野鉄幹・晶子・三好達治、金子みすずなどなど、心を動かされる心を動かされる詩文を、漢字仮名交じり書で楽しみます。基本の筆使いから文字表現、心構えへと学んでいきます。
筆、墨、紙の織り成す文字空間に癒されてください。

情報を得るのが遅くなりまして、すでに全6回中の1回が終わっています。面目ありません。


こうしたカルチャースクール系、調べてみるといろいろあるのですね。今後はこういった情報にも注意しようと思います。


【折々のことば・光太郎】

美術館は世上に勢力ある愚昧な誤謬を見破る烱々たる眼光を持たなければその甲斐がない。
散文「美術館の事その他」昭和16年(1941) 光太郎59歳

この年、当時の東京市は、「皇太子継宮明仁親王殿下御誕生記念日本近代美術館」事業を決定し、計画案を発表しました。明仁親王殿下は今上天皇。昭和8年(1933)のお生まれですが、なぜか8年経っての誕生記念事業でした。

具体的には「建設費約七百万円、敷地坪数四千坪乃至七千坪、建坪二千坪、延坪五千七百坪の建築を予定し、明治以降現代及将来に亘る美術及美術工芸品を蒐集陳列し、わが近代美術の精華を顕揚すると共に国民文化の向上に資し、日本美術の健全な進展に貢献せんとするものである」とのこと。ルーブル的な巨大美術館を建設する計画でした。しかし、太平洋戦争開戦によりこの計画は頓挫します。

この計画に意見を求められた光太郎が『朝日新聞』さんに発表した文章の一節です。「明治以降現代及将来に亘る美術及美術工芸品を蒐集陳列」、「わが近代美術の精華を顕揚」とあることに対し、その肩書や経歴に重きを置いて、展示物を決めるような愚を犯すなかれ、という話の流れです。

現代に於いても、美術館さんには「世上に勢力ある愚昧な誤謬を見破る烱々たる眼光」が要求されますね。