千葉から市民講座のご案内です。
愛の詩集<智恵子抄>を読む
期 日 : 2018年5月18日(金) 千葉市中央区中央1-11-1 三井ガーデンホテル千葉5階
時 間 : 15:30~17:30
講 師 : 歌人 松平 盟子 高村光太郎連翹忌運営委員会代表 小山 弘明
料 金 : 会員 3,456円 一般 4,104円
彫刻家で詩人の高村光太郎が、最愛の妻・智恵子への愛を綴った<智恵抄>。光太郎は、智恵子との愛をどのようなかたちで詩に託したのでしょうか。歌人と研究者がそれぞれの視点で語り合います。松平さんは、光太郎の詩の特質と、智恵子が詩にどう捉えられているか、という点について話します。ある意味で理想的な男女関係を模索した光太郎ですが、そのモデルはあったのでしょうか。小山さんは、「抄」の一字に込めた光太郎の思いと、<智恵子抄>が現代までどのように読みつがれてきたのかに焦点をあて、二人の鮮烈な生の軌跡をたどります。
松平 盟子 (マツダイラ メイコ)
愛知県生まれ。南山大学国語国文学科卒。「帆を張る父のやうに」により角川短歌賞。歌集に『プラチナ・ブルース』(河野愛子賞)『カフェの木椅子が軋むまま』『天の砂』など。著書に『母の愛 与謝野晶子の童話』『パリを抱きしめる』など。与謝野晶子のパリ滞在とその文学研究のためパリ第7大学にて在外研究(国際交流基金フェローシップ)。現代歌人協会および日本文藝家協会会員。
小山 弘明 (コヤマ ヒロアキ)
千葉県香取市出身。高村光太郎連翹忌運営委員会代表として執筆、講演、市民講座講師、美術館・文学館アドバイザー、TV番組制作協力などを行っている。
愛知県生まれ。南山大学国語国文学科卒。「帆を張る父のやうに」により角川短歌賞。歌集に『プラチナ・ブルース』(河野愛子賞)『カフェの木椅子が軋むまま』『天の砂』など。著書に『母の愛 与謝野晶子の童話』『パリを抱きしめる』など。与謝野晶子のパリ滞在とその文学研究のためパリ第7大学にて在外研究(国際交流基金フェローシップ)。現代歌人協会および日本文藝家協会会員。
小山 弘明 (コヤマ ヒロアキ)
千葉県香取市出身。高村光太郎連翹忌運営委員会代表として執筆、講演、市民講座講師、美術館・文学館アドバイザー、TV番組制作協力などを行っている。
というわけで、歌人の松平盟子氏と共に、当方も講師を務めさせていただきます。
松平氏とは、昨夏、神保町の学士会館さんで開催された「現代歌人協会公開講座 高村光太郎の短歌」の際に知遇を得まして、秋には日比谷図書館さんを会場とした「第11回 明星研究会 <シンポジウム> 口語自由詩の衝撃と「明星」~晶子・杢太郎・白秋・朔太郎・光太郎」にもお誘い下さり、参加させて頂きました。
光太郎に並々ならぬご関心を抱かれ、他にも朝日カルチャーさんで講座をお持ちの松平氏がご紹介下さり、今回の講座が実現いたしました。ありがたいことです。
当方は、以前から感じていた『智恵子抄』という、ある意味日本近代詩史上、特異な詩集の特異性ということに関し、それがどのように読み継がれてきたのか、そして光太郎自身の意図は奈辺にあったのか、そういった点についてお話をさせていただくつもりで居ります。
こういう機会を与えていただくと、気になっていた課題を自分なりに整理する事ができ、そういう意味でもありがたいことです。
ぜひご参加下さい。
【折々のことば・光太郎】
人の心は理窟だけでは動きません。内面からのうるほひと光とが無ければ人の心は本然のはたらきをいたしません。私がかういふ非常時に際して、芸術といふやうな問題を重要視するのはこの点に根拠があるのであります。
ラジオ放送「芸術と国民生活」より 昭和16年(1941) 光太郎59歳
JOAKから放送された光太郎の講演の一節です。雑誌『歴程』や、書籍『生活と文化技術』にその筆記が載りました。
光太郎、泥沼の戦時体制が止めえないものであれば、せめて人心の荒廃を防ごう、というスタンスでした。そのために非常時こそ芸術を愛する心の重要性を訴えています。何としても戦争終結を、という方向に行かなかったのは残念ですし、この後はさらにヒートアップし、「鬼畜米英殲滅すべし」というプロパガンダに積極的に協力していく光太郎。戦後、自らの扇動で多くの若者を死地に追いやった反省へとつながります。