名古屋から企画展情報です。
明治150年記念 華ひらく皇室文化 ―明治宮廷を彩る技と美―
期 日 : 2018年4月17日(火)~5月27日(日)時 間 : 午前10時~午後5時
料 金 : 一般 1,400円・高大生 700円・小中生 500円
毎週土曜日は小・中・高生入館無料
毎週土曜日は小・中・高生入館無料
20名様以上の団体は一般200円、その他100円割引
休 館 : 月曜日
平成30年は明治維新から150年にあたる記念すべき年にあたり、明治期の宮廷文化にスポットを当てた展覧会を行います。明治政府と皇室は、欧米諸国との融和をはかるため、美をこらした鹿鳴館において、各国の使節をもてなすとともに日本独自の芸術品を広く海外に紹介しました。こうした動きは、日本の国際的地位を高める一方で、江戸時代から続く美術・工芸の保護育成に大きな役割を果たしました。本展では、華やかな明治期の宮廷を彩った調度品や染織品、帝室技芸員の絵画・工芸品を一堂に集め、日本の美と技の粋を堪能する機会とします。
![イメージ 1](https://livedoor.blogimg.jp/koyama287/imgs/e/9/e964fa31.jpg)
![イメージ 2](https://livedoor.blogimg.jp/koyama287/imgs/0/d/0d1633a0.jpg)
![イメージ 3](https://livedoor.blogimg.jp/koyama287/imgs/8/f/8fb83b66.jpg)
帝室技芸員の作品ということで、光太郎の父・高村光雲の作「魚籃観音像」が出品されています。出品目録に依れば、「個人蔵」ということです。
魚籃観音は、光雲がたびたび手がけた題材の一つで、最近では一昨年、三重県総合博物館さんで開催された「新津市誕生10周年特別展覧会 過去から未来へ~津のあゆみ~」に津市教育委員会さん所蔵の作が出ています。また、東京葛飾区の貞林院瑞正寺さんには、吸収合併された三田貞林寺旧蔵の作が所蔵されており、平成14年(2002)に三重県立美術館さん他を巡回した「高村光雲とその時代展」に出品されました。
![イメージ 4](https://livedoor.blogimg.jp/koyama287/imgs/4/a/4a869215.jpg)
![イメージ 5](https://livedoor.blogimg.jp/koyama287/imgs/7/d/7d4b1551.jpg)
おそらくこれらと同様の構図のものでしょう。
その他、徳川家、皇室ゆかりの工芸品の数々が出品されています。最近流行の「超絶技巧」系で、宮川香山、濤川惣助、並河靖之らの作、さらに作者等不明ながら、皇室の方々の日用品的なものも多数。
こちらも全国巡回の予定で、以下の日程になっています。
2018年7月21日〜9月2日/秋田市立千秋美術館
2018年10月2日〜11月25日/京都文化博物館
2019年3月16日〜5月10日/泉屋博古館分館
2019年3月20日〜5月18日/学習院大学史料館
2018年10月2日〜11月25日/京都文化博物館
2019年3月16日〜5月10日/泉屋博古館分館
2019年3月20日〜5月18日/学習院大学史料館
各会場、また光雲の作が展示されるようであれば、近くなりましたところでご紹介します。
【折々のことば・光太郎】
変な英語の看板は此頃少くなつたが、此次は文字を隣国人に軽蔑されない程度に高めたい。もう一つは一般大衆に美術を馴れしめる方法として公共建築(銀行、郵便局、諸官衙、学校、図書館、病院等)には必ず絵画なり彫刻なりを適当の程度に附随させるやうに定めること。
散文「適材 岸田氏に寄す」より 昭和15年(1940) 光太郎58歳
「岸田氏」は岸田国士。第二次近衛内閣下の新体制運動推進を目して結成された大政翼賛会の文化部長に任ぜられました。その岸田の推薦で、光太郎は中央協力会議の議員となり、どんどん戦時体制の歯車と化していくことにます。この後、一貫して光太郎は公共建築や工場等の美的環境保持といったことを提言していきます。