今年も3.11が近づいて参りました。そういうわけで、東日本大震災からの復興を描いたドキュメンタリー映画をご紹介いたします。 

一陽来復 Life Goes On

公  開  日 : 2018年3月3日(土)より 全国ロードショー
上映会場 : ヒューマントラストシネマ有楽町名古屋ミッドランドスクエアシネマ ほか
監  督 : 尹美亜 
制  作 : 平成プロジェクト
製  作 : 心の復興映画製作委員会
上映時間 : 81分

ナレーション  : 藤原紀香/山寺宏一

一陽来復の春、すべての人に知ってもらいたい鎮魂と再生の物語

季節は移り、景色も変わる。人々の暮らしも変わった。
6年間の日常の積み重ねから発せられる言葉と、明日に向けられたそれぞれの笑顔。
2011年3月11日の東日本大震災から6年あまり。震災によって甚大な被害を受けた宮城県石巻市・南三陸町、岩手県釜石市、福島県川内村・浪江町の各地では、多くの人が喪失感や葛藤を抱えながら、新しい一歩を踏み出している。

3人の子供を失った場所に、仲間のための集会スペースを作った夫婦。津波の後にもたらされた海の恵みに気づき、以前とは異なる養殖を始めたカキ漁師。震災を風化させないために語り部となったホテルマン。写真の中で生き続けるパパと、そろばんが大好きな5歳の少女。全村非難の村で田んぼを耕し続けた農家。電力会社との対話をあきらめない商工会会長。被爆した牛の世話を続ける牛飼い。
カメラは「復興」という一言では括ることのできない、一人ひとりの確かな歩みを自然豊かな風景とともに映し出す。

東北の各地で生まれている小さな希望と幸せ

本作品では、岩手・宮城・福島の被災3県で生きる市井の人々の姿を通じて東北、引いては日本の現在を包括的に捉えた初のドキュメンタリー。多岐にわたる登場人物やストーリーの根底には生命の賛歌が流れている。
監督は、NHKドキュメンタリー番組制作や『サンマとカタール 女川つながる人々』などのプロヂューサーを経て、本作が初監督となるユンミヤ。「東日本大震災の衝撃と悲しみは世界中の人々に伝播したが、その後生まれたたくさんの小さな希望や幸せを伝えたい」という一心で東北の各地に通い、取材を続けた。また、東北に縁が深く、継続的な復興支援活動で知られる藤原紀香と山寺宏一がナレーションを務める。

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映画『一陽来復 Life Goes On』予告篇【2018年3月3日(土)劇場公開】



映画『一陽来復 Life Goes On』オープニング映像(本編冒頭2分半)特別公開!



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光太郎智恵子とは関わりませんが、当会の祖・草野心平を名誉村民に認定していただき、心平を偲ぶ「かえる忌」を開催して下さっている福島県川内村も舞台の一つとなっています。

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そして、「かえる忌」主宰の、天山心平の会会長にして、川内村商工会長の井出茂氏がご出演。

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さらに、プロデューサーの益田祐美子氏は、同じく被災地の復興を描いた一昨年公開の映画「サンマとカタール」でもプロデューサーを務められていましたし、監督の尹美亜氏は制作プロデューサーでした。「サンマとカタール」は、光太郎が昭和6年(1931)に『時事新報』の依頼で紀行文執筆のために訪れ、それを記念する高村光太郎文学碑が建てられ、そして「女川光太郎祭」を毎年開いて下さっている宮城県女川町が舞台でした。


震災からもうすぐ7年。現地では、着実に復興への歩みは進んでいますが、まだまだ復興完了にはほど遠い状態です。しかし、記憶の風化との闘いという新たな問題も。

こうした現状を知るためにも、ぜひご覧下さい。


【折々のことば・光太郎】

およそ本源に立つ者の直接性は人を仮借しない。一撃の下に人を捉へる。

散文「本面について」より 昭和11年(1936) 光太郎54歳

「仮借」はこの場合、「許す、見逃す」の意。ここでは能面の逸品が持つおそろしいまでの造形性を例えての言です。

被災地に生き、復興への歩みを進める人々も「本源に立つ者」と言えるのではないでしょうか。