それぞれまだ先の話ですが、2件、智恵子の故郷・福島で行われるイベントにつき、予告的な報道が為されています。

復興や未来発信 全国植樹祭、実施計画決まる

 福島県南相馬市で6月10日に開催される第69回全国植樹祭の県実行委員会は22日、福島市のホテル福島グリーンパレスで総会を開き、記念式典の行事をはじめとする実施計画を承認した。メインアトラクションでは高校生らが高村光太郎・智恵子をモチーフとした演劇や踊りを披露し、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故からの復興や未来に向けた県民の歩みを伝える。県内3地方を代表する民俗芸能も紹介する。
  プロローグではフラダンスや霊山太鼓、山木屋太鼓、会津彼岸獅子の実演で来場者を迎える。
  「三春滝桜」の子孫木の苗木などを各都道府県知事や各国大使に贈り、震災後の支援に感謝する。エピローグでは、相馬野馬追の騎馬武者行列が登場し、「相馬流れ山」の主題を用いた変奏曲を奏でて相双地方の文化を発信する。
  22日の総会では天皇、皇后両陛下が着席する「お野立て所」のデザインが示された。県産スギ材を使ったアーチ型の仮設施設で、トルコギキョウなど県内特産の花で周囲を彩る。

(『福島民報』 2018/01/23 )


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福島県産材を積極活用 特別委、実施計画を承認 全国植樹祭

 国土緑化推進機構(会長・大島理森衆院議長)の全国植樹祭特別委員会は2日、衆院議長公邸で開かれ、南相馬市で6月10日に開催される第69回全国植樹祭の実施計画を承認した。県は会場施設に県産材を積極的に活用しながら、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故からの復興の現状、これまでの支援に対する思いを国内外に発信する。
  県内開催は1970(昭和45)年の猪苗代町以来、48年ぶり。震災の津波被害を受けた南相馬市原町区雫(しどけ)地区で記念式典を行い、天皇皇后両陛下が「お手植え」に臨まれる。県は各都道府県や各国大使に「三春滝桜」の子孫木や八重桜の新種「はるか」の苗木を贈り、震災後の支援に感謝する。メインアトラクションでは高校生らが高村光太郎・智恵子をモチーフとした演劇や踊りを披露する。
  大玉村のふくしま県民の森フォレストパークあだたらをサテライト会場とするほか、福島、郡山、白河、会津若松の4市に式典を中継するスクリーンを設ける。
  特別委員会で大島衆院議長は「全国植樹祭が復興の大きなスタートとなるように心からお祈りする」とあいさつした。内堀雅雄知事は「記憶に末永く残る素晴らしい全国植樹祭とし、復興を加速する原動力となるようにしっかり準備する」と決意を述べた。

(『福島民報』 2018/02/03 )


6月10日(日)に南相馬市原町区雫地内の海岸防災林で開催される「第69回全国植樹祭ふくしま2018」。光太郎智恵子をモチーフとした演劇、踊りが披露されるということで、ありがたいかぎりです。天皇皇后両陛下もご覧下さるようですし。

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ただ、まだ詳細な情報が出ていませんので、また近くなりましたらご紹介いたします。


もう1件、やはり福島から。

全国「智恵子抄」朗読大会11月に 智恵子没後80年、福島・二本松

 詩集「智恵子抄」で知られる二002本松市出身の洋画家・紙絵作家高村智恵子と、夫の詩人・彫刻家光太郎の世界観を共有してもらおうと、全国「智恵子抄」朗読大会が11月18日、同市で開かれる。
 智恵子没後80年、智恵子純愛通り記念碑建立10年の記念事業で、顕彰団体「智恵子のまち夢くらぶ」(熊谷健一代表)が29日までに、同市の市民交流センターで開いた総会で新年度の事業計画を決めた。
 「智恵子抄」朗読大会は日本中のファンに参加を呼び掛け、有識者らに審査してもらうことを検討している。
 このほかの記念事業として10月に智恵子検定、12月には智恵子カフェの実施に向けて準備を進めていく。
 智恵子生誕祭「智恵子ゆかりの地と二本松名所巡りバスツアー」は4月30日、智恵子純愛通り記念碑第10回記念建立祭は9月16日にそれぞれ開催する予定。

(『福島民友』 2018年01月30日)


この秋行われる、智恵子顕彰に取り組んで下さっている、智恵子のまち夢くらぶさんによるイベントです。朗読系で「智恵子抄」を取り上げて下さっている方々がかなりいらっしゃいますので、ふるってのご参加を期待したいものです。

こちらも詳細が決まりましたら、またご紹介いたします。


【折々のことば・光太郎】

或る一つの芸術作品が永遠性を持つといふのは、既に作られたものが、或る個人的観念を離れてしまつて、まるで無始の太元から存在してゐて今後無限に存在するとしか思へないやうな特質を持つてゐる事を意味する。

散文「永遠の感覚」より 昭和15年(1940) 光太郎58歳

主に造形芸術についての言ですが、文学作品にも当てはまるような気がします。「智恵子抄」なども、こうした永遠性を持った作品であるようにも思われます。しかし、後世の人間がその価値をしっかり受け止め、次代へと引き継いでいく努力は必要でしょう。