光太郎彫刻の展示されている企画展情報です。 

開館35周年記念 呉市立美術館のあゆみ展

期 日  : 2018年1月6日(土)~2月12日(月・振休)
会 場  : 呉市立美術館 広島県呉市幸町入船山公園内 
時 間  : 10時~17時
料 金  : 一般800円(600円) 高大生500円 小中生300円(200円) 敬老割400円
         ※( )内は一般前売及び20名以上の団体
休館日  : 火曜日

第1章:コレクションのあゆみ
第2章:高校生キュレーターの目 「自然・歴史・人」
第3章:米国から里帰りした美人画14点が集結!「郷土ゆかりの画家 谷口 仙花」

呉市立美術館は、呉市制80周年を記念して1982(昭和57)年8月に開館し、今年度で開館35周年を迎えまし た。この展覧会では全体を3章に分け、当館の歩みを振り返ります。

第1章では、コレクションのあゆみとして当館を代表する作品、ルノワールの《麦わら帽子の少女》をはじめ、近代日本画壇の巨匠奥田元宋、パリを描き続けた荻須高徳、日本のゴッホと呼ばれた棟方志功、詩人としても有名な彫刻家高村光太郎などの作品を厳選し展示します。

第2章では、高校生キュレータークラブのクラブ員が設定したテーマに基づき、彼らが選んだ作品を展示し、その解説も担当します。また前年度のクラブ員たちが取り組んだ美術館通りの彫刻の作品解説もあわせて展示します。

第3章では呉ゆかりの日本画家・谷口仙花(1910-2001)を紹介します。昭和初期の女性風俗を情緒豊かに描いた谷口仙花は、戦中から戦後にかけて呉市で暮らし、渡米後、米国で亡くなったため長く忘れ去られていました。近年の研究成果をふまえ、新たに発見された作品や資料、米国から里帰りした作品、船田玉樹との合作など初公開を含む約80点の作品と資料により、その画業を顕彰します。

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チラシ裏面に写真が印刷されていますが、光太郎ブロンズの代表作「手」(大正7年=1918)が出ています。

お近くの方、ぜひどうぞ。


【折々のことば・光太郎】

私は彫刻家である。多分そのせゐであらうが、私にとつて此世界は触覚である。触覚はいちばん幼稚な感覚だと言はれてゐるが、しかも其れだからいちばん根源的なものであると言へる。彫刻はいちばん根源的な芸術である。

散文「触覚の世界」より 昭和3年(1928) 光太郎46歳

光太郎にかかっては、五感のすべてが触覚に還元されるそうです。視覚は色彩や光を視神経で触れるもの。聴覚的には音楽は全身を共鳴させながら聴くもの。嗅覚も物質の微粒子を鼻の粘膜で触れて感じ、味覚もそばをのどで味わうように、やはり触覚に統一されるとのこと。

そして光太郎の触覚は、磨いた鏡のガラスにも木目のような縦横の凹凸を感じると書いています。舌を巻くほどの鋭敏さです。