新春の企画展情報です。 

開館30周年記念コレクション名作展 30のテーマ Ⅱ期

期 日  : 2018年1月2日(火)~3月11日(日)
会 場  : メナード美術館 愛知県小牧市小牧五丁目250番地
時 間  : 10:00~17:00
料 金  : 一般 900円(700円)   高大生 600円(500円)   小中生 300円(250円)
                    ( )内は20名以上の団体料金および前売料金

休館日 : 月曜日(祝休日の場合は直後の平日)


1987年に開館したメナード美術館は、2017年10月に開館30周年を迎えます。それを記念し、Ⅰ・Ⅱ期あわせて「30のテーマ」を設定、現在所蔵する1,500余点のコレクションからそれぞれのテーマに合った作品を選び出して展覧会を構成します。代表作品によってコレクションの特徴や美術館の活動を振り返りながら、メナード美術館の魅力を再発見していただけたらと思います。

テーマ16~30で構成する「30のテーマ Ⅱ期」では、日本画や古筆、富士山を描いた作品により新春らしさを高めます。また、コレクションから最大と最小作品を並べて展示する「サイズ」や、「シュルレアリスム」「抽象」などバラエティに富んだテーマでお楽しみいただけます。

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光太郎の木彫「栄螺」(昭和5年=1930)と「鯰」(同6年=1931)が出ます。

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「栄螺」は平成15年(2003)に、約70年ぶりにその存在が確認され、大きく報じられました。その後、同館が買い取り、最近では平成25年(2013)の「開館25周年記念 コレクション名作展Ⅴ」、昨年の「版画と彫刻コレクション 表現×個性」で展示されています。


「鯰」は複数の作品があり、現在、竹橋の東京国立近代美術館さんでの常設展示「MOMATコレクション」で、大正15年(1926)の「鯰」が出ています(1月14日まで)。東西二つの「鯰」を見比べてみてはいかがでしょうか。

東京国立近代美術館さんでは、「鯰」以外にも木彫「兎」(明治32年=1899)、ブロンズ「手」(大正7年=1918)も並んでいます。

メナードさんもそうですが、他にも逸品ぞろいです。ぜひ足をお運びください。


【折々のことば・光太郎】

構造は比例である。比例は美である。

散文「家」より 大正10年(1921) 光太郎39歳

真性の彫刻家であった光太郎には、見る物すべての「構造」が気になって仕方がありませんでした。木彫「栄螺」も、初めは外面的な特徴のみを追って作ってもうまくゆかず、その構造に思いを馳せながら作ったところ、初めて納得の行くものになったとのこと。光太郎、彫刻に留まらず、絵画や書など、他の造型芸術にも、そうした意識を働かせていたのでしょう。

散文「家」。のちに評論集『美について』(昭和16年=1941)に収められましたが、初出掲載誌が不明です。情報をお持ちの方はご教示いただければと存じます。