智恵子の故郷・二本松市の広報誌『広報にほんまつ』、今月号から。

第22回 智恵子のふるさと小学生紙絵コンクール

 県内の小学校199校の児童から、2,830点の応募作品があり、最優秀賞「智恵子大賞」6点、特別賞6点、優秀賞60点、佳作60点の作品が入賞しました。最優秀賞を受賞した6作品を紹介します。
 なお最優秀賞と特別賞の計12点の作品を、次の日程で展示しています。
 展示期間 11月26日(日)まで 展示場所 智恵子記念館 ※智恵子記念館への入館料が必要

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こうした活動を通し、智恵子顕彰に役立てていって欲しいものです。

もう1件、先月、智恵子生家で開催された女優の一色采子さんらによる「智恵子抄」朗読とダンスのパフォーマンス「智恵子・レモン忌 あいのうた」も記事になっていました。 

智恵子・レモン忌あいのうた 高村智恵子の世界観を堪能

 9月9日より市内各地で開催されている「重陽の芸術祭」の一環として、高村光太郎の詩集「智恵子抄」とモダンダンスを楽しむ『智恵子・レモン忌あいのうた』が、智恵子の命日である10月5日に智恵子の生家で開催されました。
 序盤は、市観光大使で女優の大山采子さんによる智恵子抄の朗読がピアノ演奏に合わせて披露され、感情のこもったその語りに、訪れた大勢の観客が聞き入っていました。朗読が終わると、舞踊家で振付師の二瓶野枝さん(福島市出身)が、智恵子自身を表現した可憐なダンスパフォーマンスを披露し、智恵子の「もがき」「苦しみ」「喜び」などを、全身で表現しました。

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こちらは二本松市各所で展開中の「重陽の芸術祭2017」の一環として行われたものですが、芸術祭自体は今月23日(木・祝)までとなっています。智恵子生家も会場となっていて、現代アート作家の・清川あさみさんによるインスタレーションが展示中。こちらは26日(日)までです。併せて通常非公開の生家二階の公開も同日まで。さらに裏手の智恵子記念館では、智恵子紙絵の実物展示が28日(火)まで実施されています。


広報誌つながりで、光太郎第二の故郷ともいうべき岩手花巻の広報誌『広報はなまき』。やはり今月号に花巻高村光太郎記念館さんで開催中の「秋期企画展 智恵子の紙絵 智恵子抄の世界」の案内が掲載されています。

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当方、初日に拝見して参りました。レポートがこちら。27日(月)までの開催です。


それぞれ、ぜひ足をお運びください。


【折々のことば・光太郎】

あいつをばらばらにして るつぼにいれて煮つめよう。 泡の中から生れてくるのが 天然四元のいどみに堪へる さういふ人間の機構を持つか、 もつかもたぬかおれはしらん。

詩「餓鬼」より 昭和27年(1952) 光太郎70歳

戦時中の戦争協力を悔い、自らに課した「彫刻封印」の厳罰。それを解き、青森県から依頼された「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」制作のため、花巻郊外太田村から7年ぶりに再上京する直前の作です。

「あいつ」は、頭に渦巻く「乙女の像」の構想。作りたいものを作れる喜びは大きいものの、おそらく生涯最後の大作になるであろうことは自身でもよく分かっており、また、きちんと粘土を手にするのはほぼ10年ぶり、彫刻で最も難しいともいわれる裸婦像制作は35年ぶり。それでも粛々とやらねばならないという決意が伝わってきます。

題名の「餓鬼」は、「乙女の像」制作のエネルギー充填のためにしっかり飲食をするぞという、これまた悲壮ともいえる決意から来ています。