今日から1泊2日で、青森県十和田市に行って参ります。
メインは当方の講演で、十和田市立三本木小学校地区安全・安心協働活動協議会さんの主催で、題して「知っておきたい! 乙女の像ものがたり~秘められた光太郎の思い~」。
ちょうど64年前の今日、十和田湖畔休屋御前ヶ浜に、光太郎最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」が除幕されたので、そのメモリアルデーに合わせての開催です。
現地では、数年前から十和田湖奥入瀬観光ボランティアの会の皆さんが、「乙女の像」を見直す活動をいろいろと展開して下さり、同会編集・刊行の『十和田湖乙女の像のものがたり』という書籍で、前半部分を執筆させていただきました。そのうちのジュブナイル「乙女の像のものがたり」を、同市の劇団「エムズ・パーティー」さんが朗読劇として上演して下さったり、DVD化して下さったりもしています。
平成26年(2014)には、十和田湖畔に十和田市の施設「十和田湖観光交流センターぷらっと」がオープンし、展示コーナーのうち、光太郎に関わる部分のパネルを執筆させていただいたり、昨年はATV青森テレビさんで製作された特別番組「「乙女の像」への追憶~十和田国立公園指定八十周年記念~」に出演させていただいたりもしました。
そんなこんなで今回の講演会が実現しました。ありがたいことです。
昨日の地方紙『東奥日報』さんに、告知記事が出たとのこと。
「定員200人」というのがプレッシャーです(笑)。別に200人を前にしゃべるのは苦痛ではありませんが、果たして何人集まるかと、そっちです(笑)。
間に入っていただいた十和田湖奥入瀬観光ボランティアの会の方からのメールに、「乙女の像の誕生日ということで、ケーキを献菓することにしていますが、そのときに乙女の像や光太郎が登場するそうです。」という一節がありました。
堅苦しい話ばかりでなく、こういう楽しい催しも企画されているようですので、お近くの方、ぜひどうぞ。
ついでというと何ですが、十和田湖まで足を伸ばし、「乙女の像」を約2年ぶりに観て参ります。また、「乙女の像」のための手の試作をブロンズに鋳造した作品が展示されている、八戸クリニック街かどミュージアムさんで開催中の「5周年記念秋期展旅と名所――広重から北東北の新版画・鳥瞰図まで」も拝見して参ります。
詳しくは帰りましてから。
【折々のことば・光太郎】
おれはのろまな牛(べこ)こだが じりじりまつすぐにやるばかりだ。
詩「鈍牛の言葉」より 昭和24年(1949) 光太郎67歳
光太郎は、その若き日から自らを牛に例えた詩を作っています。大正2年(1913)には、そのものずばり「牛」という115行にもわたる長大な詩を書きました。「牛はのろのろと歩く」というフレーズがリフレインされ、「じりじりまつすぐにやる」と呼応しています。
時にその道を踏み誤ることもあった光太郎ですが、牛のように「のろのろ」「じりじり」というスタイルは、終生ぶれませんでした。そうありたいものですね。