先週から断続的に書いてきた、智恵子の故郷・福島二本松のレポートですが、とりあえず今回で終わります。今日はレポートというより、今後に向けての内容です。
昨日ご紹介した、「智恵子抄とともに~野村朗作品リサイタル~」の前に、二本松駅前の市民交流センターさんに立ち寄りました。そちらでは、智恵子顕彰活動をなさっている智恵子のまち夢くらぶさんの主催行事「智恵子講座2017」の1回目でした。
今年のテーマは昨年亡くなられた二本松の児童文学者・故金田和枝さんの著書『智恵子と光太郎』を熟読するということだそうです。
「智恵子抄とともに~野村朗作品リサイタル~」のリハーサル写真を撮りたかったもので、こちらは開会前に顔を出したのみで欠礼させていただきましたが、レジュメを頂いてきました。
夢くらぶさんのサイトに、レポートがアップされています。
智恵子顕彰ももちろん大切ですが、それに関わられた方の顕彰という意味で、意義のあることと思われます。泉下の金田さんも照れ笑いを浮かべながら喜ばれていることでしょう。
2回目以降の日程は、こちら。
続いて、二本松城にも立ち寄りました。
こちらでは、今週末から恒例の「二本松の菊人形」が開催されるため、設営が始まっていました。
毎年、テーマを掲げて行われています。3年前は「二本松築城600年 にほんまつヒストリア」。8つのシーンにわけて、二本松の歴史を表しており、最後に光太郎智恵子による「あどけない話」でした。
今年もそうなるのではないかと思っているのですが、どうなりますことやら。とりあえずご案内を。
第63回 菊の祭典 二本松の菊人形 EDO TRIP~菊花繚乱! 徳川時代絵巻~
期 日 : 2017年10月14日(土)~11月23日(木・祝)会 場 : 福島県立霞ヶ城公園 二本松市郭内3丁目地内
時 間 : 午前9時~午後4時
料 金 : 一般大人 700円 障がい者手帳をお持ちの方 500円 中学生以下無料
二本松には、藩政時代から菊の愛好者が多く、昭和の初期から町に菊人形が飾られていました。
昭和30年から「二本松の菊人形」として、霞ヶ城公園で開催されるようになり、現在の姿となっています。
昭和30年から「二本松の菊人形」として、霞ヶ城公園で開催されるようになり、現在の姿となっています。
第63回を迎える今年は「EDO TRIP 菊花繚乱!徳川時代絵巻」をテーマに、江戸時代の歴史や文化にスポットを当てて場面展開します。
光太郎智恵子人形が出るとしたら、テーマ展示以外の「ガーデンゾーン」になると思います。昨年がそうでした。
それから、二本松観光大使にして女優の一色采子さんにお伺いしたのですが、菊人形の土台部分のマネキン、何と今年は采子さんのお顔から型を取った人形が登場するそうです。
さらに、現在二本松市内各所で展開中の「重陽の芸術祭2017」会場も兼ねており、現代アート作家のヤノベケンジさんによる巨大な猫のモニュメント、福島大学の学生さん達による菊人形関連などの展示もあります。
ぜひ足をお運び下さい。
【折々のことば・光太郎】
それではいつそ 旧盆すぎて穂立をそろへた萱の穂の あの美しい銀の波にうちわたる 今朝の山の朝風を この封筒一ぱいに入れよう。 香料よりもいい匂の初秋の山の朝風を。
詩「山からの贈物」より 昭和24年(1949) 光太郎67歳
蟄居生活を送っていた花巻郊外旧太田村から、東京の知人に何か贈ろうと思い立ち、しかし、農産物や栗、キノコなど、取れたてでなければ美味しくないし(戦後の物流事情では、到着に何日もかかったそうです)、「今では都会に何でもあつて」という状態だから、いっそ、山の朝風を封筒に入れよう、というのです。