東北の、光太郎智恵子に関わる地域などを取り上げるテレビ番組の放映情報です。

5人で挑む"最後の夏"~宮城・女川中バスケ部~

NHKBS1 2017年9月23日(土)  15時00分~15時30分

東日本大震災で大きな被害を受け人口が4割も減った宮城県女川町。今年、町の人々に勇気を与えたのが女川中学・女子バスケ部の快進撃だ。新入生をのぞくと部員は3年生の5人だけ。それでも全国大会出場という夢に向かって、並み入る強豪に立ち向かった。5人は小学3年生で震災を経験し、避難所で一緒に練習してきた仲間。大人たちも練習相手を買って出るなど、町が一丸となって夢に挑戦した熱い日々を追う。※初回放送2016年

語り 倉科カナ 

アニメドキュメント「女川中バスケ部 5人の夏」

NHKBS1 2017年9月23日(土)  15時30分~16時13分

震災で部員が減る中、最小人数で全国大会目指す5人の少女の感動の実話をアニメ化。ナレーションは綾瀬はるか。声の出演は倉科カナ、山寺宏一、サンドウィッチマンなど豪華メンバーが集結した!!宮城県女川町は津波で大きな被害を受け人口が4割も減少。名門・女川中バスケ部も3年生が5人だけに。しかし5人は震災をともに乗り越えてきた絆と、町の人たちの支えをうけて、ひたむきに戦い、奇跡的に県大会を勝ち進む…。

語り 綾瀬はるか
声  倉科カナ 山寺宏一 サンドウィッチマン 大神雄子 佐々木李子 三瓶由布子 伊瀬茉莉也 潘めぐみ 大和田仁美

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実話を元に、昨年の夏、全国大会出場を目指してがんばった、宮城県女川中学校女子バスケットボール部を描いた番組です。実写版とアニメ版がセットで再放送されます。

昭和6年(1931)、新聞『時事新報』の依頼で紀行文「三陸廻り」を書くために光太郎が立ち寄った、女川町。それを記念して、平成の初めに光太郎文学碑が建立されました。その後、平成23年(2011)の東日本大震災の津波で大きな被害を受け、その教訓から、光太郎文学碑の精神を受け継ぎ、建設費用を募金でまかない、当時の女川第一中学(現・女川中学)の生徒たちが中心となって、津波到達地点より高い場所、町内21ヶ所に非難の目安となる「いのちの石碑」が建立され続けています。

アニメ版では、「いのちの石碑」が背景に使われています。女川の補通の風景の一部と化しているという感覚でしょうか。

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続いて、智恵子の故郷・二本松。

あなたの駅前物語 【二本松駅前/福島県】提灯祭りの駅前

地上波テレビ朝日 2017年9月28日(木)  23時10分~23時15分

日本中の「駅前」を舞台に、そこに関わる人々、街が持つ「物語」をたどり、「街のぬくもり」とともに「ニッポンの良さ・味わい」への思いを呼び起こす番組。

#26 二本松駅/福島 安達太良山や阿武隈川をはじめ、雄大な自然と文化の香りが二本松の誇り。駅前には戊辰戦争で散った二本松少年隊の像があり、悲しい歴史を思い知らされる。10月初めには駅前を舞台に二本松提灯祭りが開催され、もう300年以上も続いている。提灯で飾られた太鼓台は“稲穂"と“鉾"を表し、五穀豊穣と疫病退散を祈る。しゃぎりと呼ばれる太鼓のリズムで子どもたちが祭りを盛り上げる。

ナレーター 黛まどか(俳人)


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10月4日(水)~6日(金)に、提灯祭りが開催されるJR東北本線二本松駅。番組説明では、駅前の二本松少年隊の像に触れられています。

少年隊像の逆サイドには、光太郎の父・高村光雲の孫弟子にあたる橋本堅太郎氏による智恵子像「ほんとの空」(平成21年=2009)、二つの中間には、光太郎筆跡を刻んだ「あどけない話」詩碑(昭和51年=1976)もあり、そちらもちらっとでいいので映ってほしいものです。

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もう1件。

ドラマ10 この声をきみに(3)「雨にも負けぬ男」

地上波NHK総合 2017年9月29日(金)  22時00分~22時50分

連続テレビ小説「あさが来た」で、同枠ドラマ今世紀最高視聴率(関東平均値)を叩き出した、脚本家・大森美香が満を持して送るオリジナル作品、上質な大人のエンターテインメント。そんな彼女がラブストーリーの舞台に選んだのが朗読教室。「時代遅れ」のイメージもある朗読教室だが、声を出して心を開放する癒しの場として再評価され、若者にも密かなブームである。 声の交流を通して、主人公が女教師と「愛」や「人生」のレッスンを重ね、 個性的な生徒たちと一緒に、成長をしていく姿をキュートに、ロマンチックに描きます。

孝(竹野内豊)がついに発表会の舞台へ!?偏屈で口下手な数学者・孝がひょんなことから、みんなと「雨ニモ負ケズ」を朗読することに。しかし緊張のあまり、言葉が出ない!

孝(竹野内豊)は奈緒(ミムラ)と一か月ぶりに会うことになった。そこで奈緒は、離婚を決意した理由を明かすが、孝への不満は想像を超えるものだった。一方、朗読教室ではライブに向け、泰代(片桐はいり)たちが群読の猛練習をしていた。孝も仲間に誘われるが、気乗りがせずに断る。そして発表会当日、トラブルが起き、朗読メンバーに欠員が出てしまう。孝は京子先生(麻生久美子)から、舞台へ上がって欲しいと頼まれるが…。

今回の朗読作品
「氷菓」作:室生犀星  「雨ニモマケズ」作:宮澤賢治  「くじらぐも」作:中川李枝子/絵:柿本幸造
 「津軽」作:太宰治

出演  竹野内豊 麻生久美子 柴田恭兵 ミムラ 杉本哲太 片桐はいり 堀内敬子
    大原櫻子 戸塚祥太
 趣里 平泉成 松岡充 仁科亜季子


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その「発見」の現場に立ち会ったり、碑文の揮毫をしたりと、光太郎とも縁の深い宮沢賢治の「雨ニモマケズ」がメインで取り上げられます。

ところで、昨夜の第2話で、その朗読ライブのチラシが映りました。そこには「雨ニモマケズ」と並んで「「智恵子抄」 高村光太郎」の文字が。

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しかし、番組公式サイトの予告では、残念ながら「智恵子抄」には触れられていませんでした。今後の回に期待したいところです。

それぞれ、ぜひご覧下さい。


【折々のことば・光太郎】

けちな善意は大局に及ばず、 せまい直言は喜劇に類した。 わたくしは唯心を傾けて先生に慙謝し、 自分の醜を天日の下に曝すほかない。

詩「蒋先生に慙謝す」より 昭和22年(1947) 光太郎65歳

「蒋先生」は蒋介石。戦時中、その徹底した抗日思想を批判し「沈思せよ蒋先生」(昭和17年=1942)という詩を書いた光太郎。連作詩「暗愚小伝」を経て、みずからの誤りに思い至り、この詩を書きました。「けちな善意」「せまい直言」は、「沈思せよ蒋先生」での、蒋介石への呼びかけを指します。

ついでにいうなら、「自分の醜を天日の下に曝すほかない」も、初期の翼賛詩「天日の下に黄をさらさう」(昭和12年=1937)からの連想でしょう。「黄」は欧米人の蔑視する「黄色人種」の「黄」という意味でした。