手元に届きました雑誌2冊をご紹介します。

まず、日本絵手紙協会さん発行の『月刊絵手紙』8月号。今年の6月号から「生(いのち)を削って生(いのち)を肥やす 高村光太郎のことば」という新連載(全1ページ)が始まりました。今号は評論「生きた言葉」(昭和4年=1929)から言葉が取り上げられています。

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「詩は無限なものだから何処からでも生れる。」にはじまり、「人間の在る所詩は常に澎湃(ほうはい)する。」で結ばれています。路傍の瓦礫の中にも「詩」はあるとし、「生きた言葉」をつかむ悦びが語られています。

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定価762円+税です。


もう一冊。JAF(ジャパン・オートモビル・フェデレーション=日本自動車連盟)さんの会員向け月刊情報誌『JAF Mate』。当方、会員ですので、毎月届いています。

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今月号の中で、「アートのある町 青森県十和田市、七戸町」という項が10ページ。

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十和田市現代美術館さん、星野リゾート奥入瀬渓流ホテルさんなどが大きく取り上げられていますが、光太郎最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」も、光太郎の名入りで紹介して下さっています。ありがたや。

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このようにちらっとでも、光太郎智恵子に触れられ続ける状況が続いていってほしいものです。


【折々のことば・光太郎】

見たまへ野山にあふれる別箇の気を 天の香料地の体臭 目まひのするほど激動し 耳しひるほどとどろきわたる 晩春初夏のアトムのひびきは もつと厖大な精緻な新規な 積極無道の美に満ちる

詩「初夏言志」より 昭和14年(1939) 光太郎57歳

日本の自然美を高らかにほめたたえています。ただ、智恵子を失った空虚感から、翼賛の方向に梶を切った光太郎、この詩も「もう一度東洋を溶鉱炉になげこまう」などと、軍部の侵略政策を肯んじる詩句もあり、残念です。