ともにBS放送の番組、2本ご紹介します。
実践! にっぽん百名山 「安達太良山」
NHKBS1 2017年4月18日(火) 14時00分~14時30分福島を代表する名峰・安達太良山(標高1700m)を行く1泊2日の山旅。山麓に広がる新緑の樹林帯、春の訪れを告げる花々、ダイナミックな噴火口など登るごとに景色が変わる登山を楽しむ。ヤマ塾は、長く歩き続けるテクニックを紹介する。脚の運び方から、ペース配分、脚の疲労を軽減するためのグッズなど、脚力に自信のない人でも安心して山を登るためのノウハウを解説する。
司会 工藤夕貴 萩原浩司 語り 鈴木麻里子 出演 佐藤哲朗 金子貴俊
今月8日に本放送があり、そちらを拝見しました。
司会は工藤夕貴さんと萩原浩司さん、ゲストは金子貴俊さん。
冒頭近く、光太郎智恵子に絡めて安達太良山をご紹介くださいました。
以降は、地元登山ガイドの方によるナビゲートで、実際の登山レポート。
さまざまな表情を持つ山だというのがよくわかる作りになっていました。
続いて、先月、地上波テレビ東京系で放映された「美の巨人たち」。
美の巨人たち 平櫛田中『鏡獅子』彫刻家の信念と覚悟▽5代目尾上菊之助の思い
BSジャパン 2017年4月19日(水) 23時00分~23時30分
6代目尾上菊五郎演じる新歌舞伎十八番を捉えた『鏡獅子』。明治・大正・昭和を生き抜いた彫刻界の巨人・平櫛田中が着想から完成までなんと22年をかけたこの作品に迫ります。
6代目尾上菊五郎演じる新歌舞伎十八番[春輿鏡獅子]。今回の作品は、その一場面を捉えた高さ2mの木造彫刻『鏡獅子』。国立劇場のロビーに展示されています。作者は彫刻家・平櫛田中(ひらくしでんちゅう)。今にも動き出さんばかりの躍動感!しかも裸の姿まで彫り上げています。これこそが田中の頂点を極めた作品だといいます。
田中が作品に挑んだのは65歳。完成は22年後。そこまで歳月をかけたのには、彫刻家と歌舞伎俳優の深い絆と信頼が。知られざる『鏡獅子』誕生物語に迫ります。さらに『鏡獅子』を何度も演じている、5代目尾上菊之助が作品と対面。“6代目”を前に感じたその思いを語ります。
ナレーター 小林薫 蒼井優
光雲門下の平櫛田中(でんちゅう)の代表作、木彫彩色の「鏡獅子」が取り上げられます。
これも冒頭近く、田中の経歴的な話の中で、光雲に触れられました。
光雲の後ろにいる学帽が光太郎なのですが、そこはスルー(笑)。田中と光太郎はかなり親しかったのですが。
特別展「ロダン没後100年 ロダンと近代日本彫刻」の際にお世話になった、小平市平櫛田中彫刻美術館の藤井学芸員がご出演。
さらにゲストは歌舞伎の5代目尾上菊之助さん。
昨年、100年ぶりに見つかった田中の木彫「尋牛」も写りました。
興味深かったのは、「鏡獅子」の制作過程。はじめに小型の試作を作り、それを正確に拡大したところ、納得が行かなかったというのです。
この点については、田中の弟子筋にあたる、橋本堅太郎氏(二本松駅前の智恵子像の作者)が的確な解説を加えてくださっていました。
このあたり、光太郎最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」にも通じるような気がしました。「乙女の像」は、小型試作、中型試作、そして実際の像と、3段階で作られました。下の画像、左が小型試作、右が実際の像です。
なるほど、という感じでした。
それぞれ、ぜひご覧ください。
【折々のことば・光太郎】
この世の美からは逃げられない。 首をかけても、 この世の美からはどかれない。
詩「美を見る者」より 昭和2年(1927) 光太郎45歳
造形作家として、まさしくそうだったのでしょう。
そして、平櫛田中、それから安達太良山の「ほんとの空」を見つめながら画家としての大成を目指した智恵子も同じだったのではないでしょうか。