戦後、この国で初めて光太郎を真っ正面から取り上げた故・吉本隆明。当会顧問・北川太一先生とは、東京工業大学等でご同窓、光太郎がらみで終生、交流を続けられました。

その没後、晶文社さんから『吉本隆明全集』(全38巻・別巻1)の刊行が始まり、これまでに刊行された第5巻(月報に北川先生玉稿掲載)、第4巻、第7巻第10巻第12巻などで、光太郎に言及した文筆作品が所収されています。

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その『吉本隆明全集』が第Ⅱ期刊行に入るということで、記念イベントが実施されます。
会 場 : 寛永寺輪王殿第一会場 東京都台東区上野公園14-5
時 間 : 14:00~16:00(開場13:30~)
料 金 : 学生:無料(学生証提示) 一般:1000円
定 員 : 約200名(要予約・申込先着順)  専用フォームより申し込み
      往復ハガキ 〒101-0051 千代田区神田神保町1-11 晶文社 吉本全集イベント係
出 演 : 糸井重里、ハルノ宵子
 ◇糸井重里(いとい・しげさと)
1948年、群馬県生まれ。Webサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」主宰。同サイトでは、’60年代から’08年の吉本隆明さんの講演をできるかぎり集め、デジタルアーカイブ化して、無料で公開している。著書多数。吉本さんとの共著に『悪人正機』(新潮社)があるほか、ほぼ日ブックスより、『吉本隆明の声と言葉。』 『吉本隆明が語る親鸞』を刊行している。
 ◇ハルノ宵子(はるの・よいこ)
1957年、東京都生まれ。漫画家・エッセイスト。長年の介護の末、’12年に父と母を相次いで亡くす。妹は小説家の吉本ばなな。現在は定住猫数匹+外猫たちと暮らす。マンガ以外の著書に『それでも猫はでかけていく』(幻冬舎)、『開店休業』(プレジデント社・吉本隆明と共著)など。

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光太郎に関わる内容が出るか、微妙なところではありますが、ご紹介しておきます。


【折々のことば・光太郎】

さあもう一度水を浴びよう。 さうしてすつかり拭いた自分の体から 円(まろ)い二の腕や乳の辺りからかすかに立つ  あの何とも言へない香ばしい、甘(うま)さうな、  生きものらしい自分自身の肌の匂をもう一度かがう。
詩「秋を待つ」より 大正15年(1926) 光太郎44歳

さまざまな獣や妖怪に仮託して自らの内面を謳う連作詩「猛獣篇」時代ですが、仮託しない自分自身、充実した「生」を送っている一個の「生きもの」であるという実感のようなものが感じられます。