昨日に引き続き、光太郎周辺人物に関する展示情報です。

コレクション展「死してなお―鴎外終焉と全集誕生」

会 期 : 2017年2月2(木) ~ 2017年 4月2日(日)
場 所 : 文京区立森鷗外記念館 東京都文京区千駄木1-23-4
時 間 : 10時~18時(最終入館は17時30分)
休館日 : 2月27・28日(月・火)、3月28日(火)
料 金 : 一般300円(20名以上の団体:240円)
         ※中学生以下無料、障がい者手帳ご提示の方と同伴者1名まで無料

  文豪・森鴎外は、大正十一年七月九日午前七時、自宅観潮楼でその生涯を終えました。
 死の間際まで職務に励み、また著作のための調査に努め、自らの不調を自覚しながらも診療を拒み続けました。鴎外は死に直面しながら、どのような心持ちで最期の日々を過ごし、どのような言葉を遺したのでしょうか。当館には、鴎外の終焉に関する資料が多数遺されています。これらの資料を一挙展示し、鴎外逝去までの日々に迫ります。
 鴎外逝去から十余日後、鴎外の葬儀委員長を務めた与謝野寛のもとに、『鴎外全集』刊行の企画が舞い込みました。寛は、鴎外と親交の深かった平野万里や永井荷風らを中心とした編集会を結成し、『鴎外全集』刊行に着手します。鴎外顕彰の第一歩とも言える『鴎外全集』刊行の経緯を、与謝野寛の書簡を中心に辿ります。
 鴎外が、死してもなお人々の記憶に残り、現代まで顕彰され続けるのは、鴎外を親しみ敬ってきた先人たちの尽力にほかなりません。鴎外終焉の地であり、鴎外の業績を顕彰する文京区立森鴎外記念館で、生から死へ、死から再生へと向かう鴎外の姿を追います。

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関連行事

ギャラリートーク  展示室2にて当館学芸員が展示解説を行います。
平成29年2月15日、3月8日、22日 いずれも水曜日14時~(30分程度) 申込不要(展示観覧券が必要です)

展示関連講演会  「与謝野夫妻の崇敬の師 森鴎外」 講師:逸見久美氏(元聖徳大学教授)
 日時:平成29年3月11日(土)14時~15時30分
 会場:文京区立森鴎外記念館2階講座室
 定員:50名(事前申込制)
 料金:無料
 申込締切:平成29年2月24日(金)必着


展示も興味深いのですが、当方、関連行事の講演の方に興味をひかれております。

講師の逸見久美先生は、与謝野夫妻のご研究の第一人者。当方、二度、ご講演を拝聴いたしました。
どちらも素晴らしいご講演でした。

また、個性派女優の渡辺えりさんご同様、お父様が光太郎と交流がおありで、そのため連翹忌にもご参加下さっています。

さらに、一昨年には、NHK Eテレさんで放映された生涯教育の番組「趣味どきっ!女と男の素顔の書 石川九楊の臨書入門」の「第2回 愛と情熱の歌人 夫のための百首 与謝野晶子」にご出演。

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同じ番組の第5回が「智恵子、愛と死 自省の「道程」 高村光太郎×智恵子」でした。そこで少しだけ番組製作のお手伝いをさせていただきましたが、NHKさんに仲介して下さったのが逸見先生でした。

そうした恩義もありますし、それぞれ光太郎の師である与謝野夫妻と鷗外に関わるご講演ということで、参上いたすべく考えております。

皆様もぜひどうぞ。


【折々のことば・光太郎】

いのる言葉を知らず ただわれは空を仰いでいのる 空は水色 秋は喨喨と空に鳴る
詩「秋の祈」より 大正3年(1914) 光太郎32歳

季節外れですみません(笑)。このコーナー、『高村光太郎全集』を第1巻からほぼ掲載順に、「これは」と思うフレーズを書き出していますので、こういう現象が起こります。しかし、「早春」もまた喨々と空に鳴っているような気もします。

詩「秋の祈」は、光太郎第一詩集『道程』のために書き下ろされたと推定されます。この後、光太郎はしばらく詩作の筆を置きます。評論や随筆などの散文は書き続けますが、一番金になったということで、ロダン関係などの翻訳が目立ちます。しかし、ただ金のためではなく、翻訳を通し、自らの芸術論を固めていったと思われます。