東京小平から特別展情報です。

特別展「ロダン没後100年 ロダンと近代日本彫刻」

期  日 : 2017年2月3日(金)~3月12日(日)
会  場 : 小平市平櫛田中彫刻美術館 東京都小平市学園西町1-7-5
時  間 : 午前10時から午後4時
料  金 : 一般800円(640円) 小・中学生 150円(110円)
       ※20人以上の団体の方は( )内割引料金

「考える人」「地獄の門」などによって世界的に知られるオーギュスト・ロダンの没後100年を記念して、ロダンと国内の彫刻家の作品を取り上げながら、ロダンが日本の彫刻界に与えた影響を、これまでにない広い角度から紹介します。

展覧会ではロダンの代表作「考える人」「カレーの市民」をはじめ、選りすぐりの近代日本の彫刻作品 約60点を、国内20ヶ所以上から集め展示いたします。

〈主な出品作家(予定)〉
オーギュスト・ロダン、朝倉文夫、石井鶴三、荻原守衛、菊池一雄、斎藤素巖、佐藤忠良、高田博厚、高村光太郎、辻晉堂、戸張孤雁、中原悌二郎、平櫛田中、藤井浩祐、藤川勇造、舟越保武、堀進二、本郷新、毛利教武、横田七郎

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関連行事

◆ 美術講座「ロダンと近代日本彫刻」
 と き 2月26日(日)午後1時30分~  
 ところ 放送大学 東京多摩学習センター 
      小平市学園西町1-29-1 一橋大学小平国際キャンパス内
 ※駐車場はありません
 講 師 藤井明(当館学芸員)
 定 員 50名    
 参加費 無料。事前申込みは必要ありません。
 問合せ 小平市平櫛田中彫刻美術館 電話:042-341-0098

◆講演会&コンサート「音楽とめぐるロダンの世界」
 と き 3月4日(土) 午後1時30分~
 ところ ルネこだいら レセプションホール
      西武新宿線「小平駅」下車、南口徒歩3分
 ※駐車場はありません
  第一部 講演会
   演題 「歿後100年。本当のロダンをご存知ですか?」
   講師 髙橋幸次氏(日本大学教授)
  第二部 コンサート  「ロダンと同時代のフランス音楽を中心に」
   曲 目 ドビュッシー「月の光」、ラヴェル「ソナチネ第2楽章」ほか
   出 演 ラ・ペスカ(斉藤智恵美(ソプラノ)、竹内綾(ピアノ))
   定 員 100名
   参加費 無料(全席自由) 事前申込みは必要ありません。
 問合せ 小平市平櫛田中彫刻美術館 電話:042(341)0098
 小平市文化振興財団    電話:042(345)5111


光太郎作品は、昭和27年(1952)の、「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」の中型試作。碌山美術館さんの所蔵です。

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その他、ロダンをはじめ、錚々たる彫刻家の作品が一堂に会します。また、館の名称に冠されている平櫛田中は、光雲門下。ロダニズムとはまた異なった潮流での大家です。そうした流れの中で光太郎彫刻を捉えるいい機会だと思います。

関連行事で講師を務められるお二人とも、連翹忌にご参加下さっている方々ですので、これは当方も行かざるを得ません。今から楽しみです。

皆様も是非どうぞ。


【折々のことば・光太郎】

私にあなたが無いとしたら―― ああ それは想像も出来ません 想像するのも愚かです 私にはあなたがある あなたがある

詩「人類の泉」より 大正2年(1913) 光太郎31歳

高らかに宣言された、智恵子への愛。

しかし、後の大きな悲劇の胚珠は、すでにこの詩に見て取れます。引用部分の直前には、「私は今生きてゐる社会で もう万人の通る通路から数歩自分の道に踏み込みました もう共に手を取る友達はありません ただ互に或る部分を了解し合ふ友達があるのみです 私はこの孤独を悲しまなくなりました」という一節があります。世間と距離を置いて二人だけの世界に入ろうという姿勢は危険ですね。

また、終末近くには「あなたは私の為めに生れたのだ」というフレーズもあります。しかし、光太郎は逆に「私はあなたの為めに生れたのだ」とは、決して言いません。智恵子の主体性への理解が不十分だったと言えるのではないでしょうか。