東京世田谷から朗読講座の情報です。NHK放送研修センターさんと、世田谷文化生活情報センターさんの共催です。

豊かなことばの世界 「朗読講座」2月期 水曜教室

期 日 : 2017年2月1日(水)・8日(水)・15日(水)・22日(水)
時 間 : 各回午前10:30~12:30 各回午後13:30~15:30
会 場 : 公益財団法人 せたがや文化財団生活工房
           東京都世田谷区太子堂4-1-1キャロットタワー内
講 師 : 岩井正(NHK日本語センター)
受講料 : 料金4回分 一般20,500円

朗読作品:高村光太郎著「智恵子抄」
「智恵子は東京に空が無いといふ」…の詩を引用しつつ彼女の思いをたどる高村光太郎。詩集「智恵子抄」の中の随筆「智恵子の半生」を読みます。智恵子の死を受け止めかねていた光太郎は、やがて智恵子は彼にとって「普遍的存在」になったという心境にたどり着きます。今期のテーマは「愛」です。

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このブログの先月末に「回顧2016年」として書いた記事を元に、昨年一年間の光太郎歿後年譜をまとめました。4月に高村光太郎研究会さんから刊行予定の雑誌『高村光太郎研究』に掲載予定です。

その中で、光太郎の詩を取り上げて下さった朗読関連のイベント、講座などが結構目立ち、ありがたく存じました。

光太郎の詩は、白秋や中也などのそれと比べると、流暢に言葉が紡がれているというイメージには欠けます。しかし、他の詩人にはない、骨太の「述志」の感覚、彫刻で培った構成力の妙、そしてわかりやすさなどの点が魅力だと思われ、そういうところが好まれているのでしょう。そして「智恵子抄」で言えば、数十年にわたっての一人の女性に対する語りかけ、「愛」の表明という、日本の詩には稀有な内容も。

今後とも、こうした光太郎詩が愛され続けていくことを願ってやみません。


【折々のことば・光太郎】

私は私自身との戦闘にまづ尽さねばならぬ 私はまだ一つの雰霧星の形に過ぎない 多くの不純を含み、無駄を有し、稀薄を交へてゐる 私は突進せねばならぬ
詩「戦闘」より 大正元年(1912) 光太郎30歳

これなど、「述志」の詩句の代表格です。