静岡から企画展情報です。7月から9月にかけ、群馬県立館林美術館さんで開催されていた企画展の巡回となります。ちなみに来年1月末からは、三重県立美術館さんに巡回します。

再発見!ニッポンの立体 生人形(いきにんぎょう)からフィギュアまで

期 日 : 2016年11月15日(火)~2017年1月9日(月・祝)
会 場 : 静岡県立美術館  静岡市駿河区谷田53-2
時 間 : 午前10時〜午後5時30分(展示室への入室は午後5時まで)   
休館日 : 毎週月曜日 (祝日・振替休の場合はその翌日) 12/26~1/1
料 金 : 一般 1,000円(800円)  70歳以上 500円(400円)
      ( )内団体料金  大学生以下無料

古来、日本では仏像、神像、人形、置物、建築彫物など様々な立体造形がつくられてきました。
しかし、それらは西洋的な彫刻の概念に基づくものではなく、また西洋的な芸術鑑賞の対象でもありませんでした。
そのため、その多くは西洋的な彫刻とは異なるものとみなされて、いわゆる美術(ファイン・アート)としては位置づけられてきませんでした。近年、日本近代彫刻史の再検討が盛んに行われる中で、こうした日本の前近代以来の立体造形が改めて注目されています。この展覧会ではこういった成果をうけて、彫刻、工芸など従来のジャンル分けを越え、より自由な視点から日本の立体造形を紹介いたします。
主に近世から現代に至る多彩な日本の立体造形作品を紹介しながら、日本における「彫刻」と「工芸」という二つの分野の関わり、西洋的彫刻世界と前近代的造形世界を往還するわが国独特の感性について考えていきたいと思います。

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関連行事 

 特別対談 サブカルチャーからニッポンの立体を考える」
  工藤健志氏(青森県立美術館 学芸主幹)× 村上 敬(当館上席学芸員)
  12月4日(日)14:00〜15:30 場所:館講堂
 
 フロアレクチャー
  学芸員による解説 11月27日(日) 12月11日(日)いずれも14:00から30分程度
  集合場所 : 企画展第1展示室 申込不要、要観覧料


光太郎のブロンズ彫刻が2点、展示されるとのことです。京都国立近代美術館さん所蔵の「裸婦坐像」(大正6年=1917)、そして神奈川県立近代美術館さん所蔵の「大倉喜八郎の首」(同15年=1926)。

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光雲の木彫作品も展示されます。「江口の遊君」(明治32年=1899)、「西王母」(昭和6年=1931)です。共に京都の清水三年坂美術館さんの所蔵です。

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「江口の遊君」は、謡曲「江口」で、西行法師と歌問答をしたとされる遊女の妙(たえ)―実は普賢菩薩の化身―です。同じモチーフで複数の彫刻を作った光雲ですが、これは類例がほとんど無いのではないかと思われます。

同館は、光太郎が敬愛したロダン彫刻の収集に力を入れており、ずばり「ロダン館」という棟もあります。

ぜひ足をお運びください。


【折々の歌と句・光太郎】

強きこといくたび言へどいかがせんひもじき時は金欲しとおもふ

大正15年(1926) 光太郎44歳

その通りです、光太郎先生(笑)。