10月も後半に入りましたので、少しずつ現在把握している11月のイベント等を紹介していきます。

まずは光太郎智恵子が長く住んだ文京区から。 

平成28年度文京区企画展「賢治と光太郎――文の京で交錯する二人

期  日 : 2016年11月6日(日)~11月14日(月) 無休
会  場 : 文京シビックセンター1階 アートサロン  文京区春日1‐16‐21
時  間 : 午前10時~午後6時(最終日は午後5時まで)
料  金 : 無料

 詩人、童話作家として著名な宮沢賢治と彫刻家、詩人として名を馳せた高村光太郎。ともに文京区にゆかりのある二人が直接会ったのは、駒込林町(現:千駄木)の光太郎のアトリエ前でのことでした。この立ち話程度の出会い以外に二人が会うことはなく、親しく交流するようなこともありませんでした。しかし、二人をつなぐ結びつきは賢治の晩年から死後に強まり、お互いにとって重要な存在になっていきます。賢治作品を読んだ光太郎は賢治を「真の詩人」と激賞し、自身の詩作にも影響を受けます。一方、ほとんど無名のまま世を去った賢治が広く世に知られるのに大きな役割を果たしたのが光太郎でした。
 本展は、平成28年に賢治の生誕120周年、光太郎の没後60周年を迎えるのを記念し、文京区が誇る二人の生涯や創作活動、文京区との関わりを辿りながら、二人がどのように関わりあい、どんな影響を与え合ったのかを紐解いていきます。


イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

関連行事

公開講座 「宮沢賢治と高村光太郎――千駄木での出会いとその後の詩的交流」

 展示作品の制作背景や作者の人柄など、作品を見るだけではわからない情報を、関係者の方に作品の前で語っていただくギャラリートークを開催します。

講師:中里まき子 氏(岩手大学人文社会科学部准教授)
日時:平成28年11月6日(日曜日)午後2時から午後4時(予定)
会場:文京シビックセンター26階 スカイホール
対象:文京区内在住・在勤・在学者
定員:100名
費用:無料


文京区は江戸の昔からのお屋敷町もあったことからゆかりの文人も多く、しかも夏目漱石、森鷗外、樋口一葉ら、いわば光太郎より「格上」の人々が含まれているため、光太郎はある意味、影が薄いイメージです(笑)。したがって、区として光太郎の顕彰を積極的に、というレベルには至っていません。

が、時折、こうした形で取り上げて下さることがあり、有り難いところです。まあ、今年は生誕120年の賢治ブームですので、賢治と交流のあった数少ない文士の光太郎もセットで、というところでしょうか。グルコサミンサプリメントに、今なら何とアミノ酸ナントカもおつけします、的な(笑)。

ただ、開催期間があまり長くないのが残念です。貴重な機会ではありますので、ぜひ足をお運びください。


【折々の歌と句・光太郎】

堂のかげふと知る才のわづらひや雨の夕鐘唐招提寺
明治34年(1901) 光太郎19歳

昨日に引き続き、東京美術学校での奈良京都修学旅行での作です。奈良の唐招提寺は、鑑真和上坐像をはじめ、あまたの仏像が国宝に指定されています。それらを観て圧倒される若き光太郎の姿が浮かびます。