まずは先週の『日本経済新聞』さんに載った記事から。「ご当地NewFace」という日本各地で発売されたその土地ならではの新製品を紹介するコーナーに載りました。 

Tシャツに福島の山 【福島】

FRIDAY SCREEN(福島市、090・9308・9461)の「福島の山 TEE」
福島県民にとって身近な山々を描いたご当地Tシャツ。製作したのは福島市のデザインユニットの2人で「福島を広くPRしたい」と、普段でも着られるように簡素で印象的なデザインにした。絵柄は「智恵子抄」に登場する安達太良山、民謡で親しまれる磐梯山、日本百景にも指定されている霊山の3種類。《1枚3500円。販売中》

調べてみると、以前から販売されており、地元紙『福島民友』さんでも既に今年5月に報じていました。ただし、「智恵子抄」「高村光太郎」といった当方の検索ワードが入っていなかったので、見落としていました。 

「福島の山」モチーフのTシャツ3種類を販売

 福島の地域資源の発掘と発信をしているクリエーターの鈴木孝昭さんとテキスタイルアーティスト坂内まゆ子さんによるユニット「FRIDAY SCREEN(フライデイ スクリーン)」は磐梯山、安達太良山、霊山のイラストをそれぞれプリントしたオリジナルTシャツ「福島の山TEE」を販売している。
 身近な山をモチーフにしたTシャツを作ろうと、昨年6月に安達太良山を題材にして製作、販売。今年4月21日から新たに磐梯山と霊山を描いた商品を作り、発売した。
 サイズはGS~Lの5種類で、価格はいずれも1枚3500円(税込み)。イラストの色は安達太良山がえんじ、磐梯山が紺、霊山が深緑。福島市の衣料品店「CLASSICS」と伊達市のりょうぜんこどもの村のミュージアムショップで販売している。同店のウェブサイトでも購入できる。


こちらがその画像です。

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なるほど、シンプルな中にもインパクトがあり、激しい自己主張はないものの、印象に残りますね。

販売元のFRIDAY SCREENさんのサイトはこちら


先週、上記記事が『日経』さんに載ったのと前後して、ネット上のTシャツ通販サイト「Tシャツトリニティ」さんに、やはり光太郎がらみの新製品が紹介されました。

商品名が「高​村​光​太​郎​/​智​恵​子​抄​/山​麓​の​二​人​/​わ​た​し​も​う​ぢ​き​駄​目​に​な​る」。「イ​ニ​ミ​ニ​マ​ニ​モ」さんというショップの商品です。

半袖のTシャツが2種類。黒一色と、白黒のツートンです。ともに1枚3,200円(税込)。

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それぞれフロントに「――わたしもうぢき駄目になる」の文字がプリントされています。光太郎詩「山麓の二人」(昭和13年=1938)で、心を病んだ智恵子が繰り返し発するセリフです。この元ネタをご存じない方にとっては、何のことやら? という感じでしょうが、このシュールさが魅力のような気がします。

同じシリーズで長袖のスウェット(税込4,000円)、トートバッグ(同2,300円)も販売中です。

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ところで、Tシャツといえば、花巻の高村光太郎記念館さんでも、オリジナルのTシャツを販売しています。

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こちらは背中にこのようなロゴが。

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光太郎の「光」の字が反転しています。元ネタはこちら。

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戦後の7年間を暮らした花巻郊外太田村の山小屋脇に立てられたトイレ棟「月光殿」。その壁に明かり取りのために光太郎が彫った「光」一字です。左の画像は表から、右はトイレの内部からのものです。ある意味、これも「彫刻」と呼んでもいいような気もします。同館では看板やスタッフの皆さんの名刺など、さまざまなところでこれをロゴとして使っています。

Tシャツは数種類の色があり、価格は忘れましたが、いずれそう高価なものではなかったと思います。


いろいろご紹介しましたが、ぜひお買い求めを。


【折々の歌と句・光太郎】

秋雨やめしが喰へぬと友の文       明治43年(1910) 光太郎28歳

「友」は画家の津田青楓です。青楓、別に歯が痛いとか、内臓を患ったとかではなく、芸術家として生きていく困難さという意味での「めしが喰へぬ」でしょう。