三重県から展覧会情報です。 
期   日 : 2016年9月17日(土)~10月10日(月)  
会   場 : 三重県総合博物館 三重県津市一身田上津部田3060
時   間 : 午前9時~午後5時  (土日祝は午後7時まで)
休 館 日 : 月曜日(祝日の場合はその翌日)
料   金 : 無料

交流展示では、MieMuのシンボルでもある、津市内で発見された太古のゾウ「ミエゾウ」の標本のほか、南北朝時代に南朝側で活躍した北畠氏の拠点があった現在の美杉町多気にある遺跡の発掘資料や、藤堂氏入府以後、城下町として発展した江戸時代の津の様子がわかる絵図や古文書など、約480点の貴重な資料を展示します。さらに、市民に親しまれている神社や寺院等に奉納されている文化財を公開するほか、明治から平成にかけての津市が現在の市域に至るまでの合併の変遷をたどります。
1章 津のルーツ(旧石器・縄文・弥生・古墳時代)
2章 古代(奈良・平安時代)
3章 中世(鎌倉・室町時代)
4章 近世(安土桃山・江戸時代)
5章 近現代(明治・大正・昭和・平成)

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チラシ裏面に画像が掲載されていますが、光太郎の父・光雲作の「魚籃観音立像」が出品されます。

調べてみたところ、平成14年(2002)、三重県立美術館、茨城県近代美術館、千葉市立美術館、徳島県立近代美術館を巡回した企画展「高村光雲とその時代展」に出品されたものでした。

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明治36年(1903)の作。像高37㌢です。

「籃」は「らん」と読み、かごを表します。像の手に提げられているかごです。観音像のバリエーションとして「三十三観音」というカテゴリーがあり、「魚籃観音」も含まれます。中国起源の伝説に基づくもので、日本では単体で信仰されることは稀だそうですが、津市の蓮光院初馬寺さんには元禄期の石造仏「水掛け魚籃観音」が祀られており、漁業も盛んなこの地に魚籃観音信仰があったようです。

光雲には、他にも魚籃観音の作例があります。

ちなみに同じ三重県の桑名市では、光雲作の飾り物を施した祭車も出る「石取祭」が行われており、三重と光雲には色々縁があるようです。

意外と光雲作の木彫が見られる機会は多くなく、貴重な機会です。ぜひご覧下さい。


【折々の歌と句・光太郎】

こほろぎもかゝる夜はなけ湯のけぶり   明治34年(1901) 光太郎19歳

昼間はまだ蝉の合唱が聞こえますが、このところ日が暮れると、代わって秋の虫たちの競演です。季節は確実に進んでいますね。