過日ご紹介した岩手花巻宮沢賢治記念館さんの特別展「「雨ニモマケズ」展」について報道が為されています。ただ、ほとんどは「雨ニモマケズ」が記された手帳のみの紹介で、「雨ニモマケズ」詩碑のために書かれた光太郎の書については触れられていませんでした。

さすがに地元紙2紙ではそちらにも言及されています。

まず『岩手日日』さん。 

実物を初公開 きょうから記念館 賢治生誕120年で 「雨ニモマケズ」手帳 光太郎揮毫 詩碑の書

006 花巻市矢沢の宮沢賢治記念館(鎌田広子館長)は賢治生誕120年記念の特別展として、20日から「雨ニモマケズ」展を開催する。詩「雨ニモマケズ」が記された賢治の手帳と、賢治を高く評価していた詩人で彫刻家の高村光太郎の書を、ともに実物で公開することから広く注目を集めそうだ。
 一般公開に先立ち19日に内覧会を開き、概要を紹介した。目玉となるのは、賢治直筆とされる「雨ニモマケズ」の手帳。複製を常設展示していたが、賢治生誕120年の節目に合わせて実物を公開することにした。
 光太郎が揮毫(きごう)した「雨ニモマケズ」の後半部分の実物も展示。同市桜町の「賢治詩碑」建立の際の書で、後に判明した原文との相違点を碑に追刻補正する前の状態が確認できるという。
 「雨ニモマケズ」の手帳や光太郎の書の実物が同館で展示されるのは今回が初めて。賢治の弟の故・清六さんの孫で同館学芸員の宮澤明裕さんは「『雨ニモマケズ』は作品として推敲されたものではなく、それがかえって生のものとして人の心を打つのでは。この機会に足を運んでもらい、それぞれの応援や励ましとしてもらえれば」としている。
 特別展は28日まで。21日午後1時30分からは明裕さんの兄の和樹さんによるギャラリートークも予定している。
 開館時間は午前8時30分から午後7時30分まで。入館料は小・中学生150円、高校生・学生250円、一般350円。問い合わせは同館=0198(31)2319=へ。


続いて『岩手日報』さん。 

「雨ニモマケズ」手帳公開 花巻・宮沢賢治記念館

005 花巻市矢沢の宮沢賢治記念館(鎌田広子長)は、賢治生誕120周年を記念し、20日から特別展「雨ニモマケズ」展を開く。賢治が病床で「雨ニモマケズ」を記した手帳の現物などを公開する。
 賢治の手帳は縦13・1センチ、横7・5センチ、166ページの手の平サイズ。「雨ニモマケズ」の前文を記した51、52ページを開いて展示する。
 同市桜町の賢治詩碑に刻んだ高村光太郎の書の原文も公開し、有名俳優らの詩の朗読を上映する。
 同展は28日まで。期間中は無休。入館料は小中学生150円、高校生、学生250円、一般350円。午前8時半~午後7時半。問い合わせは同館(0198・31・2319)へ。


展示期間が短いのが残念ですが、ぜひ多くの方々にご覧いただきたいものです。


当方、本日は埼玉東松山市立図書館さんに行き、「高村光太郎資料展~田口弘氏寄贈資料による」を拝見。さらに戦時中から光太郎とご交流のあった同市元教育長・田口弘氏ご講演を拝聴して参ります。


【折々の歌と句・光太郎】

小鳥らの白のジヤケツにあさひさしにはのテニスはいまやたけなは
制作年不詳

昭和5年(1930)頃に制作された木彫「白文鳥」の雄の方(画像右)を包む袱紗(ふくさ)にしたためられた短歌です。写真は故・髙村規氏によるものです。

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木彫「白文鳥」、現在、信州安曇野の碌山美術館さんで公開中です。