生誕120年を迎えた宮沢賢治。記念事業が色々と行われていますが、その一環として開催される、岩手花巻の宮沢賢治記念館さんでの特別展示です。 

「雨ニモマケズ」展

期  日 : 前期2016年8月20日(土)~28日(日)
       後期2016年8月30日(火)~9月13日(火)
会  場 : 宮沢賢治記念館 岩手県花巻市矢沢1地割1番地36
時  間 : 8:30~19:30
料  金 : 一般350円(300円)、高校生・学生250円(200円)
       小・中学生150円(100円)
        ※( )内は20人以上の団体割引料金

国内はもちろん、世界でも多様な広がりをみせている「雨ニモマケズ」。
当館では賢治生誕120年を機に「雨ニモマケズ」が書かれた賢治自筆の手帳と、高村光太郎が揮毫した「雨ニモマケズ」詩碑の原文を展示いたします。いずれの資料も宮沢賢治記念館では初公開となります。どうぞこの機会をお見逃しなく!!
(後期は「雨ニモマケズ手帳」は複製、詩碑原文は拓本に展示替え)

関連行事 

ギャラリートーク
日  時 : 2016年8月21日(日)  13:30~
講  師 : 宮澤和樹氏(賢治実弟・故宮澤清六氏令孫)

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賢治歿後の昭和9年(1934)、新宿で開かれた賢治追悼の会の席上、実弟の清六が持参した賢治のトランクから出て来た手帳に書かれていた「雨ニモマケズ」が「発見」されました。その場にいたのは光太郎、宮沢清六、草野心平、永瀬清子、巽聖歌、深沢省三、吉田孤羊、宮靜枝らでした。

昭和11年(1936)になって、光太郎は宮澤家の依頼でこの詩の後半部分を揮毫、花巻の羅須地人協会跡にその書を刻んだ碑が建てられました。

その後、「雨ニモマケズ」は賢治代表作の一つとして広く人口に膾炙しています。

今回の展示では、光太郎も手に取った手帳の現物、そして光太郎が書いた碑文書の現物が展示されます。

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それぞれ宮沢賢治記念館さんでは初の展示だそうで、意外といえば意外です。

21日(日)のギャラリートークは宮澤和樹氏。御祖父・清六氏が光太郎と親しかったため、必ずといっていいほど、賢治や宮澤家と、光太郎の密接な交流についてお話下さいます。


今後、これ以外にも、賢治顕彰の様々な企画が目白押し。近くなりましたらご紹介しますが、また当方もお話をさせていただく機会があります。

とりあえず「「雨ニモマケズ」展」。ぜひ足をお運びください。


【折々の歌と句・光太郎】

夏の日は三里塚にて馬見るか昼寝しせすか山脇彦尊
大正13年(1924) 光太郎42歳

「三里塚」は、現在、新東京国際空港のある成田市です。かつては印旛郡遠山村でした。

「山脇彦尊」は、日本画家・山脇謙次郎。光太郎は山脇のため、前年12月、三里塚に開墾小屋を作り、その移住を助けています。のちに光太郎の親友・水野葉舟がその小屋を引き継ぎました。

かつて近くには宮内省の御料牧場があり、「馬」はそれに関わります。

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跡地は成田三里塚記念公園となり、光太郎に触れる展示も為されている御料牧場記念館、光太郎詩「春駒」碑などがあります。