週末の『朝日新聞』さんから、全文が長いので、抜粋で。
(大峯伸之のまちダネ)御堂筋のいま2
■知恵出し合う「企業町会」
行政と企業が手を携えた街づくりが進む大阪・御堂筋。先週紹介した「御堂筋まちづくりネットワーク」の活動エリアの南側では、長堀通を中心に取り組むNPO法人の「御堂筋・長堀21世紀の会」がある。約120の会員の大半は企業だ。
■作品29体「彫刻ストリート」
オーギュスト・ロダン、ヘンリー・ムーア、高村光太郎、佐藤忠良……。御堂筋の東西の歩道には、国内外の著名な彫刻家の作品29体が並んでいる。
大阪市の呼びかけで1991年から沿道の企業を中心に作品を買い、置いた。いずれも本物だ。最近は「御堂筋彫刻ストリート」とも呼ばれている。
大阪市のガイドツアー講師を務める伊藤義麿さん(78)は鐘淵化学工業(現・カネカ)で働いていた頃、御堂筋沿いの日本生命を訪問。そのとき、歩道のアントワーヌ・ブールデルの作品に気づいた。
伊藤さんの父は美術評論家の故・柳亮(やなぎりょう)。フランスのパリで暮らし、ブールデルの弟子の清水多嘉示(たかし)と交流があった。清水の作品「みどりのリズム」もまた御堂筋の歩道にある。伊藤さんは父が残した資料を読み込み、美術の勉強にのめり込んだ。
伊藤さんと一緒に彫刻ストリートを歩いた。「足の筋肉の表現が細かくて緻密(ちみつ)でしょう」。大阪ガスビル近くのロダンの作品「イヴ」を前に、伊藤さんの話が止まらない。作品の前に自転車が放置される時期もあったが、伊藤さんは「最近は改善されました」とほほ笑んだ。
■府市と企業で目玉イベント
四季を通じて、御堂筋はさまざまなイベントで盛り上がる。
かつての代表格は「御堂筋パレード」だった。1983年に始まり、マーチングバンドやバトントワリング、企業などによる「フロート(花車)」が秋の大阪を彩ってきた。
ところが、分担金を出してきた大阪府から見直しを求められたことをきっかけに、パレードは御堂筋の完成70周年にあたる2007年が最後に。約2キロを72団体・約7千人が練り歩き、約125万人(主催者発表)が沿道を埋めた。
08~12年の春には、歩行者天国の「御堂筋フェスタ」、秋には「御堂筋kappo(カッポ)」がそれぞれ催された。この2イベントは13年春、同じ日の開催となった。一連の取り組みは「府市統合」をめぐる動きや議論と重なったものの、府と市の担当者は企業と手をたずさえ、「御堂筋の活性化」へ知恵を出し合っていく。
14年春。府市は一緒に「御堂筋ジョイふる」を開き、昨年秋には「御堂筋オータムパーティー」に。F1カーや100台のフェラーリ車が登場した。
この秋、どんな「目玉企画」が出てくるか楽しみだ。(大峯伸之)
記事にある御堂筋の彫刻ストリート、光太郎彫刻は、「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」の中型試作が設置されています。2年前に見てきたレポートがこちら。
数少ない光太郎彫刻屋外展示の一つです。
本家、十和田湖を扱うテレビ番組放映がありますので、ついでにご紹介します。
イチオシ!2泊3日の旅 青森・奥入瀬~八甲田…水と緑の絶景!
BS日テレ 2016年8月11日 (木) 20時00分~20時54分
苔むす岩々が織りなす奇跡の渓流▽青森リンゴにこだわった贅沢高級ビュッフェ▽十和田湖の神秘的な光景に大感動▽ワイルドなボートツアー絶叫体験▽八甲田の温泉で絶品御膳
1泊2日の慌ただしい行程ではなく、「2日目をゆったり使える」2泊3日の旅を楽しみませんか?日本全国の風光明媚な景観を訪れ、旬の味覚を味わう2泊3日の“時間を贅沢に使った"旅番組です。
出演 旅人 佐伯チズ&南美希子 ナレーター 真地勇志
ちらっとでも乙女の像の紹介があるといいのですが……。
当方、今日から地方出張で4泊5日の長旅です。
まずは信州安曇野。碌山美術館さんで開催中の企画展「夏季特別企画展 高村光太郎没後60年・高村智恵子生誕130年記念 高村光太郎 彫刻と詩 展 彫刻のいのちは詩魂にあり」の関連行事で講演を仰せつかり、「高村光太郎作《乙女の像》をめぐって」と題してお話しさせていただきます。それが7日(日)ですが、早のりで今日から信州に参ります。
昨年、十和田湖奥入瀬観光ボランティアの会さん編集による『十和田湖乙女の像のものがたり』という書籍が刊行され、前半部分を執筆し、「乙女の像」についてがっつり調べましたので、その成果です。元々碌山美術館さんで「乙女の像」の中型試作、小型試作を所蔵されており、「この辺の内容でどうですか」というご提案もありました。もちろんそれ以外に光太郎の生涯の俯瞰、碌山荻原守衛と光太郎との関連、智恵子についても述べる予定です。
その後、9日(火)が宮城女川で女川光太郎祭。そちらでも講演が入っており、一旦帰宅すると遠回りになるので、8日(月)、一日かけて信州から三陸まで移動します。
帰宅予定は10日(水)。その間、このブログは携帯から投稿します。字数制限がある上、画像も制約があり、内容が薄いものとなりましょうが(いつもだろ、と突っ込まれそうですが)、見捨てないで下さい(笑)。
【折々の歌と句・光太郎】
ちひさき蟲にはあれどわれよりも命ながしとはしきわが蝉
大正13年(1924) 光太郎42歳