光太郎の実弟にして、鋳金の道に進み、人間国宝に認定された高村豊周の作品が展示されています。 
期  日 : 2016年7月16日(土)~9月8日(木) 月曜休館 
会  場 : 東京国立近代美術館工芸館 千代田区北の丸公園1-1
時  間 : 10:00~17:00
料  金 : 一般210円(100円) 大学生70円(40円)
        ( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込。
        高校生以下および18歳未満、65歳以上
は無料。
無料観覧日 : 8月7日(日)、9月4日(日)

こどもたちと一緒に工芸を見たことはありますか?
工芸鑑賞はちょっとむずかしそう…と心配されることがあるけれど、作品を見たこどもたちは、おとなの予想を軽く乗り越えて、生き生きと反応してくれます。きらきら輝く目のなかは「!」や「?」でいっぱい――好奇心が踊るようにあふれでて、そのわくわく感に周囲で見守るおとなたちも嬉しくなるほどです。
こどもの興味を惹きつけるのは、なんといっても、それが何でできているのか?ということ。
「工芸」とひとくくりに呼んでいますが、種類はさまざまで、それを分ける決め手となるのが素材です。でもちょっと見にはそれが判断つかないものが少なくないのも工芸の特徴。土、石、草や木、虫など、素材に選ばれたものの元の姿を知っていると、ますます「!」や「?」が飛びだします。
工芸がこれだけ多彩に発展してきたのは、私たち人間が「こうしたい」と思ったことがらを形にしたものだから。それもよりよく、より美しくと、尽きない願いに応えて、あらゆる素材を吟味しては多方面に可能性を試し、磨き上げてきた結果が作品の魅力を築き、見る人、そして作る人自身をも惹きつけてきたのです。
そんな風に考えてみると、「ナニデデキテルノ?」というシンプルな発言には、作品へのお近づきの挨拶とともに感動のほとばしりが潜んでいそうです。知識豊富な大人の皆さんも、あらためて、こどもと一緒にこのひと言をつぶやいてみませんか?まだ気づいていなかった、知恵と情熱満載の工芸の秘密を探る鍵がみつかるかもしれません。

人間国宝から人気の現代作家まで当館所蔵作品、約120点を展示
繊維、土、石、ガラス、金属、木、貝殻など、展示室ごとにさまざまな素材の魅力を紹介します。


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豊周の作品は、「朱銅まゆ花瓶」(昭和39年=1964)、「青銅花瓶」(大正15年=1926)の2点。

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その他、有名どころでは、染色の志村ふくみさん、芹沢銈介らの作品、さらに竹久夢二作のオブジェ、六代清水六兵衛、ルーシー・リーの磁器なども展示されています。出品目録はこちら

ぜひ足をお運びください。


【折々の歌と句・光太郎】

しきりに桜の幹をいそぎのぼる蝉は止まりてなきはじめたり
大正13年(1924) 光太郎42歳