現在、NHKさんで放映中の連続テレビ小説「とと姉ちゃん」。5月の「第7週 常子、ビジネスに挑戦する」では『青鞜』がらみのエピソードがありました。その際には、高畠充希さん演じる主人公・常子の女学校の担任、東堂チヨ先生(片桐はいりさん)が、智恵子が表紙絵を描いた『青鞜』創刊号に載った平塚らいてうの「原始、女性は実に太陽であつた」という文言を生徒たちに語りました。その後、常子や妹の鞠子(相良樹さん)、親友の中田綾(阿部純子さん)らが、『青鞜』に大きな影響を受けた、という話の流れでした。
今週放映されている「第14週 常子、出版社をおこす」で、中田綾が再登場しました。戦前、女学校を出て、すぐに
医者に嫁いだ綾でしたが、その夫は軍医として大陸に出征し戦病死、裕福だった実家も空襲で全焼、今は老母と幼い男児を抱え、苦労しています。
そして昨日のオンエアで、再び『青鞜』がでてきました。綾が、柳行李から取り出して常子に見せ、苦しい生活の中でもずっと心の支えにしてきた、と語るという場面でした。
見逃された方、NHK BSプレミアムで、7/6(土)、一週間分の再放送があります。この回は朝10:00~のオンエアです。ご覧下さい。
また、来週放映の「第15週 常子、花山の過去を知る」でも、『青鞜』がらみのシーンがあるようです。「花山」は、唐沢寿明さん演じる花山伊佐次。のちに常子ともども雑誌『あなたの暮らし』を創刊します。モデルとなったのは、花森安治。実際に『美しい暮しの手帖』(のち『暮しの手帖』)を創刊、編集と、毎号の表紙絵を担当しました。
予定では7/13(水)放映の回で、その花山を女手一つで育ててくれた母が、やはり『青鞜』創刊号のらいてうの言葉を心のよりどころとしていた、というエピソードが語られるという設定になるようです(ただ、いわゆるネタバレサイトでの情報ですので、変更があるかも知れません)。こちらもご覧下さい。
ちなみにさらに先の放送で、片桐はいりさんの東堂先生も再登場するようです。
ところで、一昨年上期の朝ドラ「花子とアン」では、翻訳家の村岡花子、その親友の歌人・柳原白蓮が登場、それぞれ吉高由里子さん、仲間由紀恵さんが演じられました。すると、古書業界でちょっとした花子、白蓮ブームが起こり、その頃発行された古書店の目録には、二人の関連商品――書籍や自筆もの――が数多く載っていました。
このところ手元に届く古書目録には、「とと姉ちゃん」を受けて、花森安治の関連商品が目立ちます。明日から行われる明治古典会さん主催の「七夕古書大入札会2016」の目録にも載っていました。
あたたかみのある、いい絵ですね。
その花森、戦後すぐは、戦時中の戦意高揚プロパガンダへの協力(有名なコピー「ほしがりません勝つまでは」の選定にも関わっているそうです)を恥じ、筆を折っていました。このあたり、光太郎を彷彿とさせられます。その点が「とと姉ちゃん」でどう描かれるか、楽しみです。
【折々の歌と句・光太郎】
葦の葉に君は笹舟たくみなりわれは流れの淀に棹さす
明治34年(1901) 光太郎19歳
今日は七夕、ということで何となくそれっぽい短歌をご紹介します。
朝の時点で、自宅兼事務所周辺はよく晴れていますが、夜はどうなることでしょうか。田舎なので光源が少なく、ほんとに快晴の晩には、天の川が見える時もあります。