今月2日、日比谷松本楼さんで執り行った第60回連翹忌の集いに際し、ご参会いただいた文学館、美術館関係の皆さんから、近々開催となる企画展のチラシや招待券などが配布されました。

まずは福島県いわき市立草野心平記念文学館さん。 
期  日 : 2016年4月16日(土)〜6月19日(日) 月曜休館(5/2は臨時開館)
会  場 : いわき市立草野心平記念文学館
        福島県いわき市小川町高萩字下夕道1番地の39
時  間 : 9時から17時まで
料  金 : 一般 430円(340円) 高・高専・大生 320円(250円) 小・中生 160円(120円)
         ( )内は20名以上団体割引料金

 草野心平(1903〜1988)が詩を書き始めたのは、中国の嶺南大学に留学していた1922年頃。彼は第一の青春をそこで謳歌しました。帰国後は苦しい生活と繰り返す転職、泥酔の挙げ句の喧嘩や野宿など、型破りな第二の「青春無頼」のなかで詩作を続けます。
 本展では、心平が「青春無頼」の日々に手がけた詩や随筆などを展観。彼を取り巻く交友関係にもふれながら、等身大の詩人の魅力を紹介します。


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光太郎よりちょうど20歳年下の草野心平。大正14年(1925)、中国の詩人・黄瀛の仲介で、光太郎の知遇を得ました。それぞれ数えで光太郎42歳、心平22歳。

爾来、お互いの芸術的人格に魅せられ、歳の差を超えた交流が、光太郎最晩年まで続きます。というか、第1回連翹忌の発起人代表となった他、光太郎没後も心平は光太郎顕彰に取り組み続けました。

その心平の、まさに光太郎と出会った前後、青春時代にスポットを当てた企画展です。しかし、チラシのコピーには、「青春がどのへんから始ってどの辺で終ったのか、或いはまだ終らないのかも私には分らない」とあり、幅広い時期を扱うようにも思われます。


併設展示などがこちら。 

矢内靖史写真展「二十一世紀の蛙」

期日、時間等、上記に同じです。

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スポット展示 「猪狩満直」

会期 2016年4月2日(土)〜6月26日(日)
会場 文学館常設展示室前 / 観覧券が必要です。

猪狩満直は心平と同郷、いわき出身の詩人です。

早くから心平と交流がありましたが、大正14年、北海道釧路で開墾生活に入ります。その経験を謳った詩集『移住民』は各方面から絶賛され、光太郎も好意的な評を、雑誌『南方詩人』に寄せています。


ぜひ足をお運びください。


【折々の歌と句・光太郎】

「ゴンドラ」に雨あたたかし水の色     明治42年(1909) 光太郎27歳

昨日に続き、イタリア・ベネチアでの吟です。