昨日、郡山市ふれあい科学館で開催中の「第4回 ふくしま 星・月の風景 フォトコンテスト作品展」について書きましたが、やはり昨日、福島の地方紙『福島民報』さんの一面コラム「あぶくま抄」でも同じ話題について触れられていました。 

変わらぬ輝き(3月24日)

 無限に広がる宇宙のきらめきと福島の風土が織り成す圧倒的情景―。郡山市ふれあい科学館スペースパークの宇宙劇場に続く通路に37点の写真が並ぶ。「第4回ふくしま星・月の風景フォトコンテスト」入賞作品だ。
 コンテストは8年前、星や月の輝く夜と県内の豊かな自然・人の暮らす風景を全国に紹介しようと始まった。2年に1度の開催としたが、2回目の表彰式直後、震災と原発事故が襲う。立ち入ることができない場所や一変した光景…。県内の姿は大きく変貌したかのように思えた。しかし、頭上の星や月は変わらぬ光を注いでいた。
 予定より1年遅れて実施した第3回は、県内外で大きな反響を呼ぶ。現在、開催中の東京・三鷹市を含め全国各地で復興応援の巡回展が企画された。今回も全国から351作品の応募があった。輝く夜空と地上の景色の融合、月明かりに照らされた幻想的な景観などが本県の魅力を再発見させてくれる。
 第4回の作品展は6月30日まで。その後は全国を巡る予定だ。入賞作品を収録した写真集も今月中に刊行する。「ほんとの空」がある福島の夜空には、今も昔も変わらない「ほんとの輝き」がある。


現在、開催中の東京・三鷹市」とありますが、前回(第3回)の入賞作品が、三鷹市の三鷹中央ビル1階「天文・科学情報スペース」に巡回しているそうです。調べてみると、他の都市にも巡回されていましたし、今回の第4回に関しても、要項に「巡回展」の文字があります。今後、お近くに巡回があった場合には、ぜひ足をお運びください。



また、同じ「あぶくま抄」で、今月19日にも「ほんとの空」の語が使われていました。 

全盲乗り越え国際貢献(3月19日)

 「ほんとの空」が広がる安達太良山麓に国際協力機構(JICA)二本松青年海外協力隊訓練所はある。今年度第4次隊の訓練生が70日間の課程を修了し、間もなくそれぞれの任地へ出発する。
 訓練生の中に全盲の女性がいる。発足から半世紀、4万人を超す青年海外協力隊の歴史の中で全盲の隊員は初めてだ。大阪府出身、病気で2歳の時に視力を失った。大学で国際貢献を学びJICA職員となった。「開発途上国で活動したい」との思いが強まり、休職して協力隊に応募した。タイに2年間派遣され、視覚障害者らを支援する。
 女性に気負いはない。不安よりも新たな世界で経験を積める期待の方が大きいという。訓練期間中、二本松市内の仮設住宅に数回足を運び、浪江町民と交流した。「目が見えないからと特別扱いせず、自然に接してもらえたことがうれしかった」。心が通い合うのを感じた。長引く仮設住宅暮らしの苦労や故郷を離れたままのつらさも実感した。
 タイでは災害時の障害者支援にも関わりたいと意気込む。「避難者と直接話し、現状に触れたのは貴重な体験だった。福島の本当の姿を伝えたい」。被災地への思いも胸に女性は旅立つ。


これもいい話ですね。

JICAさんの二本松訓練所は、岳温泉の奥にあります。以前に岳温泉に泊まった際、看板を目にし、「こんなところにそんなものが……」と思った記憶があります。


阿多多良(安達太良)山の山の上に毎日出てゐる青い空が「ほんとの空」だと、智恵子はつぶやき、光太郎がそれを詩に謳いました。しかし、智恵子はそれを意識できなかった為に心を病んでしまったのでしょうが、その空は、全国に、そして全世界に、全ての人の頭上につながっているものです。タイで目の不自由な方の支援にあたるというJICA職員の方の話から、特にそう感じました。

さらに、脊髄損傷のため、口に筆をくわえて作品を作り続けている星野富弘さんの詩を連想しました。

  たいさんぼく011

ひとは 空に向かって寝る
寂しくて 空を見上げ
疲れきって 空を見上げ
勝利して 空を見上げる
 
病気の時も
一日を終えて床につく時も
あなたがひとを無限の空に向けるのは
永遠を見つめよと
いっているのでしょうか
 
ひとは 空に向かって寝る


画像は当方自宅兼事務所の連翹です。光太郎終焉の地、中野の中西家アトリエに咲いていた連翹の子孫です。この季節、空の青と花の黄色のコントラストが大好きです。


【折々の歌と句・光太郎】

この色ぞこの空の色さやさやと晴れたる空のいろぞ汝が眼は

明治42年(1909) 光太郎27歳

というわけで、空の歌です。