当会顧問・北川太一先生の新著が完成しました

いのちふしぎ ひと・ほん・ほか

2015/10/17 北川太一著 文治堂書店刊 定価1500円+税

光太郎への思慕と敬愛により知った伊藤信吉・草野心平。出版により知己を得た品川力・渡辺文治。仏教文化に志を共有した三宅太玄・加茂行昭。昭和十九年、出征前の師や学友への追悼文他、著者が選んだ五十編、初の随想集。


Ⅰ ひと000
 追悼 上州烈風の詩人 信吉さんのお手紙
 高村さんと草野さん
 光太郎と心平の往復書簡
 詩人の死 草野さんと秋山さん
 「注文の多い料理店」に寄せて
 『春と修羅』と『道程』に思う
 白秋と光太郎 その交遊の軌跡
 新井奥邃 未来を指針する世界性
 品川力さんのこと
 文治さんと清二さん
 『白雲』高橋一夫先生追悼
 覚え書 染谷誠一句集に寄せて
 照源寺の龍
 問疾 太玄和尚に寄せる
 三宅太玄老師に

Ⅱ ほん
 ウイリヤム・チンデル伝 伝記文学・私の一冊
 私の「ひろいよみ」
  ⑴ 世界図絵(J・A・コメニウス)
  ⑵ ラ・ロシュコー箴言集001
  ⑶ 運慶とバロックの巨匠たち(田中英道)
 ある本の歴史 ロダンから守衛へ
 おめでとう『彷書月刊』一〇〇号
 やさしい心 菅宮慶江『童心とともに』
 本の音 夜の露店の古本屋
 本のいのち
 さらば東京古書会館
 『古書通信』の六十年
 無知の罪を知った『展望』
 文学館に望むこと
 DVD版『美術新報』に驚く

Ⅲ ほか
 幻の書の風景
 高村光太郎の書
 旅へのおすすめ
 パリの連翹忌
 パリの十日間
 オペラ「源氏物語」によせて
 自戒として 高村さんのことば
 光太郎と山川丙三郎訳『神曲』
 うつくしきものみつ 加茂行昭さんに
 駿河町富士 わが風景と思い出
 回想の向丘高校
 長いバカンスが取れたら
 小川義夫『絆 きずな』跋
 勝畑耕一詩集『熱ある孤島』帯文
 喜びと願いと 女川・光太郎文学碑公園の完成に寄せて
 いのちを描く 長谷川建作品展にあたって
 智恵子の場合
 大空(そら)からの伝言(メッセージ) To memory of Noriko
 美はみつけた人のもの 北川太一さんからひとみちゃんへ

初出誌メモ
あとがき


B6版170ページの薄い小さなかわいらしい本ですが、その内容の濃いことといったらありません。当方、本文の校正をさせていただいたので、既に3回ほど読みましたが、思わず読みふけりながら赤ペンを握っていました。あとがき以外に書き下ろしのものはなく、大半は掲載誌に載ったものを既に読んでいたのですが、それでも読みふけってしまいました。

さて、昨日は東大正門前のフォーレスト本郷さんにて、北川先生のご結婚60周年のダイヤモンド婚及び本書の出版記念の祝賀会でした。

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企画なさったのは、北川先生が高校の教諭をなさっていた頃の教え子の皆さん。当方もお招きにあずかりました。

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宮城女川から、女川光太郎の会の佐々木英子さん、笠松弘二さんも駆け付けました。

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花束及び記念品の贈呈。

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当方、奥様のお隣に座らせていただき、60年前(昭和30年=1955)の思い出を伺いました。光太郎は最晩年で、光太郎の日記には、お二人が中野のアトリエへご結婚の報告にいらしたことも記されています。新婚旅行は二本松方面。かつて光太郎も泊まった穴原温泉などにも行かれたそうです。当時の新婚旅行といえば、箱根や熱海が一般的だったそうで、行く先々で「何でこんなところに?」と訊かれたそうです。

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こちらは智恵子の生家。北川夫妻と智恵子の恩師・服部マスの縁者の方。昭和30年代の智恵子生家の様子としても貴重な写真です。

いつまでも仲良くお元気でいらしていただきたいものです。

さて、『いのちふしぎ ひと・ほん・ほか』、版元の文治堂書店さんにご注文下さい。

TEL,FAX: 03-3399-6419 MAIL: bunchi@pop06.odn.ne.jp 〒167-0021 東京都杉並区井草2-24-15


【今日は何の日・光太郎 拾遺】 10月18日

昭和27年(1952)の今日、星ヶ丘茶寮において、三好達治、草野心平との座談会を行いました。

この座談は12月の雑誌『新潮』に「詩の生命」の題で掲載されました。