「智恵子抄」をはじめとする光太郎詩にオリジナルの曲をつけて唄われている、シャンソン系歌手のモンデンモモさんの新しCDがリリースされました。
モンデンモモさん、平成6年(1994)、「REQUIEM」というCDで、初めて光太郎詩に曲をつけた作品をリリースしました。その際は、「あどけない話」「郊外の人に」「樹下の二人」「レモン哀歌」「荒涼たる帰宅」、さらに智恵子視点でのオリジナルの語りをラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」に乗せたもの。
たまたまそれを聴いた当方、モモさんと連絡を取り、そこからご縁が始まりました。
平成17年(2005)には最初の「モモの智恵子抄」をリリース。この際には、事前に光太郎と智恵子が愛を確かめあった銚子犬吠埼や、昭和9年(1934)、心を病んだ智恵子が療養していた九十九里浜などの故地にご案内し、それから当会顧問の北川太一先生のお宅にもお連れしました。
平成21年(2009)には、このCDを元に楽譜集を出版。編集と解説、さらに一部の曲では合唱編曲も当方が担当しました。一昨年には島根奥出雲のコールしゃくなげさんが、そのうちの「樹下の二人」を演奏して下さいました。
さらに平成22年(2010)にはCD「モモの智恵子抄2」ということで、元版に収められた曲のアコースティックバージョンでのリメイクに、新たな曲も加えてリリース。
これらのCDがほぼ完売してしまったとのことで、今回の新作が制作されました。基本、「1」のリメイクで、曲順などもそれに準じていますが、新曲も含まれています。
また「1」の時は、伴奏がDTMによる打ち込み系でしたが、今回は「2」に近く、ピアノ/シンセサイザーで砂原嘉博さん、チェロの伊藤耕司さん、フルートの黒田育子さんが参加されています。
ご自分でもおっしゃっていますが、こうしてみると「進化」のあとが見え、感心させられます。今後も「進化」を続けて行くであろうモモさんを見守っていきたいと思います。
先日、二本松に行った際、智恵子記念館や、近くの戸田屋さんで新作が既に並んでいましたし、旧作もまだ少し残っていたようです。そちらへ足をお運びの際にはお買い求め下さい。もちろんモモさんのサイトからも注文可能です。
【今日は何の日・光太郎 拾遺】 10月15日
平成21年(2009)の今日、エイベックス・マーケティングから「作家が綴る心の手紙 愛を想う 死を思う」が発売されました。
近現代の文学者達の書簡の朗読を収めた12枚組のCDボックスです。第7巻「詩人の筆に込めた想い」で、光太郎書簡も6通、取り上げられています。
特に現存する唯一の、独身時代に送った光太郎から智恵子へのラブレター、九十九里浜で療養する心を病んだ智恵子に送った2枚の葉書には胸を打たれます。朗読は元男闘呼組の高橋和也さんです。