昨年の第58回連翹忌で演奏をしていただき、会に花を添えて下さったフルート奏者の吉川久子さん。連翹忌で演奏をお願いしたのは、一昨年、「心に残る美しい日本のうた 智恵子抄の世界に遊ぶ」というコンサートをなさったのがご縁でした。
さて、直接、光太郎智恵子にからむわけではないようですが、近々、吉川さんが下記のコンサートをなさいます。
心に残る美しい日本のうた 東北、その豊穣の大地に遊ぶ
期 日 : 2015年6月25日(木)
時 間 : 開場13時 開演13時30分
会 場 : 横浜みなとみらいホール・小ホール 横浜市西区みなとみらい2-3-6
料 金 : 全席自由 2,500円
主 催 : 心に残る美しい日本の曲を残す会
出 演 : 吉川久子(フルート) 海老原真二(キーボード) 三浦肇(パーカッション)
東北大震災から丸4年が経過しました。被災地はいまだに復興途上にあり、多くの人々が仮設住宅で暮らしています。原発事故のあった福島では、いまだに故郷に戻る見通しさえ叶わない人々がいます。復興が順調に進み、故郷に人々の笑顔と賑わいが戻る日が一日も早く来ることを、願わずにはいられません。
震災以降、コンサートでは宮沢賢治、智恵子抄、野口雨情と、被災地に馴染み深い人物像を通して、東北の豊かさを童謡や抒情歌に託して紹介してきました。
第10回を数える今年の記念コンサートは、「東北、その豊穣の大地に遊ぶ」と題して、岩手、宮城、福島に残る童謡、民謡、民話などにスポットをあて、東北の大地のぬくもりと、心やさしい人々の魅力を伝えていきます。
本年も横浜在住のフルート奏者・吉川久子が、ご来場の皆さんと岩手、宮城、福島に届けとばかりに、復興への想いを一つにします。
ご来場を心からお待ちしています。
直接、光太郎智恵子に関わるコンサートではないようですが、東北への想い、ということで、東北に縁の深い光太郎智恵子を偲びつつ聴きたいと思います。
実は先月23日、やはり直接光太郎智恵子にからまない吉川さんのコンサートを聴いて参りました。場所は当方生活圏近くの千葉県印旛郡栄町にある千葉県立房総のむら。
千葉県立房総のむらは、「参加体験型博物館」と位置づけられているユニークな施設です。竜角寺古墳群という大規模な古墳群の中に建ち、自然公園的な面もあります。また、江戸時代の街並みが復元され(モデルは当方の住む香取市の旧市街)、それぞれの建物で、そば打ちや伝統工芸品などの制作といった、さまざまな体験学習ができるようになっています。ここではよくテレビ番組などのロケも行われています。
また、復元だけでなく、実際の文化財の建造物も移築保存されています。愛知の明治村のような感じです。
そのうちの一つが、旧学習院初等科正堂。明治32年(1899)の建築で、国の重要文化財です。元は東京尾張町にあったものが移築されています。ここがコンサート会場でした。
学習院ということは、光太郎もその同人だった白樺派の主要メンバー、志賀直哉、有島兄弟、武者小路実篤らが学んだ場所です。そう思って観ると、感慨深いものがありました。
室内も実にいい感じです。
面積を考える時、我々柔道経験者は「試合場が何面取れる」と考えます(笑)。試合場一面は、昔は50畳でした。現在はルールが改正され、40.5畳ないしは32畳です。ここは優に2面、間を開けなければ3面取れます。
この机兼椅子は、当時の物ではないのでしょうが、雰囲気にはぴったりです。
ステージです。柱も見事な造作です。
窓や扉も大きく、重厚感に溢れていました。
建物だけでなく、もちろん吉川さんの演奏も素晴らしいものでした。
さすがに、最近もセルビア大使館や秋篠宮ご夫妻を前に演奏なさったり、JR鎌倉駅の発着メロディー(電子音でないのは非常に珍しいそうです)も手がけられたりなさってている実力派です。
25日の「東北、その豊穣の大地に遊ぶ」も期待しております。
【今日は何の日・光太郎 拾遺】 6月6日
昭和23年(1948)の今日、花巻郊外太田村の山口分教場校庭で、花巻賢治子供の会の演劇公演を観ました。
賢治の教え子だった照井謹二郎の作った児童劇団で、前年に続き2度目の太田村公演。光太郎の慰問が大きな目的でした。
この日の演目は「カイロ団長」「小兎(英語劇)」「どんぐりと山猫」でした。