光太郎の父・光雲がらみの展覧会情報です。 

三の丸尚蔵館 第68回展覧会 鳥の楽園-多彩,多様な美の表現

会 場 : 宮内庁三の丸尚蔵館 東京都千代田区千代田1-1 皇居東御苑内
 期 : 平成27年3月21日(土・祝)~6月21日(日)
               前期:3月21日(土・祝)~4月19日(日)
               中期:4月25日(土)~5月17日(日)
               後期:5月23日(土)~6月21日(日)
休館日 : 毎週月・金曜日,展示替の期間 但し,5月4日(月・祝)は開館
 
 :  4月14日(火)まで 午前9時~午後4時15分
               4月15日(水)から会期終了まで 午前9時~午後4時45分
入館料 : 無料 

概  要
本展では,当館が所蔵する19世紀から現代までの作品を中心に,国内だけでなく,海外のものも含めて,鳥を主題とした作品の数々を紹介いたします。
美しい宝石のような羽を持つ鳥や力強く空を自由に舞い飛ぶ鳥の姿に,古くから人々はあこがれて吉祥の意を見いだし,その姿を描き,形作って,身近に飾ってきました。長寿の鳥とされたツルは,慶事の折には必ず登場します。また,神聖で高貴な鳥であるクジャクは,花鳥画の主要な画題の一つとして描かれ,近代にもその伝統は引き継がれました。そして,家禽かきんとして人の生活と密接に結びついてきたニワトリは,古代中国の伝説に基づく諫鼓鶏かんこどりのように泰平の図として表される一方,作家たちが実際にニワトリを飼って観察し写生することで,躍動感あふれる作品が生み出されました。この他,身近な小禽や水鳥,外来種のインコ,現代では絶滅が危惧されているライチョウなど様々な鳥の,多彩な表現をお楽しみください。
美術の世界に棲すむ鳥の楽園へようこそ。


三の丸尚蔵館の概要
三の丸尚蔵館は,皇室に代々受け継がれた絵画・書・工芸品などの美術品類が平成元年6月,国に寄贈されたのを機に,これら美術品を環境の整った施設で大切に保存・管理するとともに,調査・研究を行い,併せて一般にも展示公開することを目的として,平成4年9月に皇居東御苑内に建設され,翌年11月3日に開館しました。
なお,平成8年10月に故秩父宮妃のご遺贈品,平成13年4月に香淳皇后のご遺品,平成17年10月に故高松宮妃のご遺贈品,さらに平成26年3月には三笠宮家のご寄贈品が加わり,現在約9,800点の美術品類を収蔵しています。

出品目録によれば、光雲作の木彫が2点、いずれも中期(4月25日(土)~5月17日(日))に展示されます。

明治22年(1889)作の「矮鶏(ちゃぼ)置物」と、大正13年(1924)作の「松樹鷹置物」です。

イメージ 1  イメージ 2

「矮鶏置物」は、はじめ明治22年(1899)のパリ万博に出品予定で製作されました。ところが、その前に、光雲の意思とは関係なく、美術協会の展覧会に出品する羽目になり、さらにそれを見た明治天皇が是非欲しい、ということでお買い上げになったものです。

このあたりの事情は、昭和4年(1929)刊行の『光雲懐古談』に詳しく述べられています。

ネット上の「青空文庫」さんで読めますので、リンクを貼っておきます。



「松樹鷹置物」は、一昨年、京都国立近代美術館で開催された「皇室の名品-近代日本美術の粋-」展にも出品されたもので、こちらも光雲木彫の最高峰の一つです。

他にも石川光明橋本雅邦、海野勝珉、竹内栖鳳、堂本印象らの逸品が展示されます。お見逃しなく。


余談になりますが、現在、ある地方の市立美術館で、収蔵品展的な企画展が開催されていて、主な出品物作者に光雲があげられています。ところが、チラシの写真を見た限り、木彫を元にブロンズで鋳造した複製です。それを「光雲作」として出品するのはどうかと思いますね。


【今日は何の日・光太郎 拾遺】 3月17日

昭和22年(1947)の今日、花巻郊外太田村の山小屋で、村の診療所医師・山田林一の診察を受けました。

前々日から熱っぽかったということで、近くの分教場の教師だった佐藤勝治が連れてきてくれました。山田医師は結核による発熱を抑える薬・ピラミドンを置いていきました。医師が診れば明らかなのですが、光太郎はかたくなに結核であることを否定し続けていました。