青森在住の彫刻家・田村進氏から、書籍を戴きました。
『日本美術家事典2015』。版元サイトにも載っている序文によれば、「現在制作活動を行っている日本の美術家(日本画・洋画・彫刻・工芸・書)の個々の歩みを一冊にまとめることに主眼をおいて企画された事典」とのことで、平成元年(1989)に創刊、以後、増補改訂が続けられ、今年のものは第26号になるそうです。
B5版、600ページ超の大判大冊で、「現代作家篇」と「物故作家篇」から成り、前者が中心です。「日本画」「洋画」「彫刻」「工芸」「書」の5分野で、作家名を項目とし、おそらく数千名が紹介されているようです。
「彫刻」の部では、扉ページに田村氏の作品「光太郎山居」の石膏原型が使われています。一昨年から制作にかかられ、このほど、ブロンズ鋳造が完成したと、御手紙にはありました。戦後、花巻郊外太田村の山小屋に蟄居生活を送っていた頃の光太郎肖像です。
田村氏の紹介が載ったページは、全体像も掲載されています。
『日本美術家事典2015』、「物故作家篇」も掲載されており、光太郎、光雲、豊周(智恵子はありません)も項目になっていますし、光太郎と同時代、または次の世代で交流のあった作家も網羅されており、ありがたい書物です。版元サイトから購入可能ですし、公共図書館等に置かれるでしょう。ぜひお手にとっていただきたいものです。
【今日は何の日・光太郎 拾遺】 3月15日
昭和29年(1954)の今日、雑誌『美術街』第121号に、光太郎の実弟・豊周執筆の評論「无型と実在」が掲載されました。
无型(むけい)は鋳金家であった豊周が中心となり、大正15年(1926)に結成された工芸作家の同人の会です。