先程、1泊2日の行程を終え、仙台から帰って参りました。仙台にある大学に通っている息子の、学生寮から一般のアパートへの引っ越しのために行きましたが、せっかく仙台まで足を伸ばしたので、今朝方、美術館を観て参りました。若林区にある福島美術館さんです。以前に一度だけ、当方のブログにてご紹介いたしました。
上記はいただいてきた館のパンフレットです。こちらにある通り、光雲作の木彫が2点、所蔵されています。
1点はチベット仏教学者で僧侶の河口慧海に関わるものだそうです。慧海は大阪堺の出身ですが、東京の本郷弥生町や根津など、高村家の近くに住んでいたこともあり、光雲や光太郎と交流がありました。下の画像で、左が光雲、右が慧海です。
で、福島美術館さん所蔵の慧海ゆかりの光雲木彫がこちら。
ただし、今日観に行ったところ、こちらは展示されていませんでした。
もう1点、「落ちない観音様」。神棚に飾られていたそうですが、あの東日本大震災でも神棚から落ちなかったということで、館の方ではそこを売りにしています。もう受験シーズンもそろそろ終わりですが、御利益があるのでは?
そちらは展示されていました。そこで、レポートを兼ねてご紹介いたします。
福島美術館さんは、地下鉄南北線の愛宕橋駅からほど近い、住宅街にあります。
美術館には見えない建物ですね。それもそのはず、元は身体障害者の総合福祉施設、ライフセンターという今でいうカルチャーセンターだそうで、現在も運営母体は社会福祉法人共生福祉会さんです。このあたりの経緯も館のブログに記述があります。
ちなみに「福島」は共生福祉会の創設者、福島禎蔵の名から。
新春吉例「めでた掛け-35年目の迎春-」という企画展が終了したばかりで、常設展のみ。入館料は何と100円でした。良心的というか何というか……。頭が下がります。
常設展のみということで、確かに狭いスペースでしたが、福島禎蔵、そして先代と先々代のコレクションの中から逸品が並んでいました。
やはり仙台。伊達家ゆかりの品々、和時計、歌川国芳などの絵、そして福島禎三がNHKさんとも関わっていたとのことで「ラヂオ」。
そして、「仏像」のコーナーに「落ちない観音様」が鎮座ましましていらっしゃいました。想像していたより小さな仏様でした。
キャプションによると、震災の時まで光雲作であることに気づいて居らず、礼拝の対象として神棚に置かれていたそうです。
先程も書きましたが、もう受験シーズンもそろそろ終わりですけれど、御利益があるのでは? 受験生の皆さん、ぜひ拝観を(笑)。
追記 同館、平成30年(2018)をもって無期限休館となってしまいました。
館の裏手には、ある意味仙台のシンボル、広瀬川。
陽気がよければ川原でのんびりするのもいいかと思います。ただ、今朝は寒く、早々に引き上げました。昨日は晴れていながら小雪が舞っていました。強風に山の雪が飛ばされてくる風花(かざはな)だと思いますが。既にタンポポやオオイヌノフグリが咲いて、梅は散り始めている房総の住民にはきつい寒さでした。
ところで、昨日のブログに書いた町田の八木重吉記念館さんにしてもそうですが、こうした施設の館が頑張っている姿には頭が下がります。こういう灯を消してはいけないと思います。ぜひ足をお運びください。
【今日は何の日・光太郎 拾遺】 3月3日
昭和30年(1955)の今日、吸入器を購入しました。
宿痾の肺結核が進行し、病床に臥すことが多く、光太郎の余命、あと1年と1ヶ月という時期です。それでも食事は自炊、調子のいい時には原稿や書を書いていました。