テレビ放映情報です。
にっぽん百名山「安達太良山」
NHKBSプレミアム 2015年2月9日(月) 19時30分~20時00分
再放送 2月15日(日) 6時30分~7時/2月19日(木) 11 時~11 時30分
番組内容
福島の安達太良山(1700m)、荒々しい火山と、みちのくの穏やかな自然を体感する山旅。登山口の野地温泉からブナなど広葉樹の紅葉に彩られた登山道を抜け、森林限界の低い偽高山帯と呼ばれる見晴らしの良いりょう線へ。最高峰の箕輪山(1728m)を経て、温泉のある山小屋で一泊、翌朝、空に突き出た山頂の姿から乳首山とも呼ばれる安達太良山の山頂をめざす。智恵子抄のエピソードや登山家の田部井淳子氏の誕生秘話も紹介。
出演 林千明
語り 山崎岳彦 吉川未来
単に安達太良山の紹介だけでなく、「智恵子抄」がらみの内容になるというのがいいですね。
ちなみに同じ2/9の夕方には、再放送ですが、磐梯山の放映もあります。
にっぽん百名山「磐梯山」
NHKBSプレミアム 2015年2月9日(月) 16時00分~16時30分
山旅へようこそ! 今回は福島県の磐梯山。ひとつの山で、ふたつの顔を持つ山。南側は、紅葉と溶岩が織り成す穏やかな光景。黒い岩肌を真っ赤な紅葉が彩る姿は、まるで日本庭園のよう。北側は、明治の噴火がもたらした荒々しい姿。切り立つ絶壁。噴火口の淵(ふち)、幅10mほどの山道を歩けば、両脇に山々を望む絶景が続く。磐梯山ならではの、ふたつの顔を存分に楽しむ山旅。
語り 鈴木麻里子
のちに昭和13年(1938)になって、その時の思い出を詩「山麓の二人」に記しました。
山麓の二人
二つに裂けて傾く磐梯山の裏山は
険しく八月の頭上の空に目をみはり
裾野とほく靡いて波うち
芒(すすき)ぼうぼうと人をうづめる
半ば狂へる妻は草を藉(し)いて坐し
わたくしの手に重くもたれて
泣きやまぬ童女のやうに慟哭する
――わたしもうぢき駄目になる
意識を襲ふ宿命の鬼にさらはれて
のがれる途無き魂との別離
その不可抗の予感
――わたしもうぢき駄目になる
涙にぬれた手に山風が冷たく触れる
わたくしは黙つて妻の姿に見入る
意識の境から最後にふり返つて
わたくしに縋る
この妻をとりもどすすべが今は世に無い
わたくしの心はこの時二つに裂けて脱落し
闃(げき)として二人をつつむ此の天地と一つになつた
険しく八月の頭上の空に目をみはり
裾野とほく靡いて波うち
芒(すすき)ぼうぼうと人をうづめる
半ば狂へる妻は草を藉(し)いて坐し
わたくしの手に重くもたれて
泣きやまぬ童女のやうに慟哭する
――わたしもうぢき駄目になる
意識を襲ふ宿命の鬼にさらはれて
のがれる途無き魂との別離
その不可抗の予感
――わたしもうぢき駄目になる
涙にぬれた手に山風が冷たく触れる
わたくしは黙つて妻の姿に見入る
意識の境から最後にふり返つて
わたくしに縋る
この妻をとりもどすすべが今は世に無い
わたくしの心はこの時二つに裂けて脱落し
闃(げき)として二人をつつむ此の天地と一つになつた
画像は磐梯山の後で訪れた栃木の塩原でのもの。現在確認されている智恵子最後の写真です。
さて、「にっぽん百名山」。安達太良山と磐梯山、ぜひ併せてご覧下さい。
【今日は何の日・光太郎 拾遺】 2月3日
昭和20年(1945)の今日、雑誌『美術』に談話筆記「回想録 二」が掲載されました。
前月の同じ『美術』に「一」が載り、二回で完結しています。聞き手は美術評論家の今泉篤男。筑摩書房『高村光太郎全集』の第十巻に掲載されていますが、「一」「二」併せて約50ページにもなる長大な談話筆記です。
主に幼少期から青年期の回想が主ですが、この時期にこれだけ長い回想が語られていることは、非常に興味深く感じます。もしかすると、長期化する太平洋戦争、次第に激しくなる空襲などにより、死の覚悟があったのかも知れません。