一昨日の『朝日新聞』さんの福島県版に、下記の記事が載りました。以前にもご紹介した二本松の「あだたら恋カレー」にも触れています。
福島)中通り北部を売り込め 住民らが知恵絞る
「八重の桜」や「フラガール」とまではいかなくても、もう少し全国的に知名度の高い観光の目玉を、中通りの北部にも。住民らによるそんな取り組みが、広がりつつある。人口の少ない中山間地ならではの魅力を売り込もうと、知恵を絞っている。
「伊達の名物はあんぽ柿や桃だけじゃない。『いかにんじん』は実は松前漬けの元祖」「日本初の五つ子が生まれたのは梁川」「産業伝承館の農家レストランに行くと、90歳近い名物のおばあさんに会える」
今月20日、伊達市で開かれた「阿武隈おもてなし人(びと)ゼミナール」。旅館や観光会社の社員、郷土史研究会のメンバーら多彩な顔ぶれの参加者が、伊達市の「名物」をあげていった。
ゼミナール開催は4回目。町おこしに取り組むNPO法人「いいざかサポーターズクラブ」が県北地方振興局の委託を受け、昨年12月から開いている。国道349号に沿った福島市、伊達市、二本松市、本宮市、川俣町の中山間地で、なにが「観光の目玉」にできるかを考える。これまでに数十人が参加した。
参加者はまず、それぞれが思い思いの「名物」をシールに1項目ずつ書き、大きな紙に貼り付ける。その後、シールを「史跡」「自然」「花」「食べ物」など関連があるものごとにまとめ、「化石発掘ツアー」「伊達の地酒3本セット」など、複数の名物を組み合わせたパッケージがつくれないか、考えていく。
「ふくしま農家の夢ワイン」の社員、熊谷耕平さん(26)は昨年12月、地元の二本松市で開かれたゼミナールに参加した。
「仕事も年齢層も違う人たちと意見交換ができて、刺激になりました」
「農家の夢ワイン」では、地元の農家が栽培するリンゴを原料に発泡酒「シードル」をつくっている。地元に来て買ってもらいたいと、問屋に卸すのではなく、地元の料理店や道の駅中心に出している。
「シードル工房を見学に来たグループには、スタッフ手づくりの料理をふるまうなどのもてなしもしています。より参加型、体験型の販売方法も考えていきたい」と熊谷さん。
NPO法人「ゆうきの里東和」は同じ二本松市で、地域の特徴を生かした観光に早くから取り組んできた。かつて養蚕業が盛んだった東和地区の歴史を踏まえ、「桑の葉茶」などを開発。国道349号沿いで運営する道の駅「ふくしま東和」には、地元産の野菜やシードルなどが並ぶ。
最近は「あだたら恋カレー」と「酒粕(さけかす)アイスクリーム」を売り出した。カレーの名前の由来は、同市出身の画家・高村智恵子と夫で詩人の光太郎との「恋」。加えて、地元産ハーブの味が「濃い」、具だくさんで内容が「濃い」、お客さんよ「来い」という意味が込められている。
震災後の2012年から農家民宿も始めた。農家に泊まり、地元の新鮮な野菜料理を堪能し、希望者には農作業も体験してもらう。
震災後、福島産の野菜が売れなくなった。ゆうきの里東和理事長の武藤一夫(いちお)さん(62)は「われわれがどのように野菜をつくり、検査しているのか。目で見て知ってもらい、福島の農家と交流してもらうことを主目的でやっています」。
農家12軒でスタートし、いまは16軒に増えた。
いいざかサポーターズクラブの藤原純理事長は「意識していなかった地元の名所や名物に気づき、有機的に組み合わせて新たな観光資源を生み出す。ゼミナールを、その端緒にしてほしい」と期待する。
国道349号北部の観光施設32カ所によるスタンプラリーも昨年12月下旬から始まった。3月6日まで。(大岩ゆり)
頑張って下さい。応援しています。
【今日は何の日・光太郎 拾遺】 1月27日
昭和25年(1950)の今日、詩人で編集者の八森虎太郎からストーブを貰いました。
光太郎は日記以外に、書簡類の授受を詳細に記録した『通信事項』というメモを遺しています。昭和24・25年(1949・1950)は書かれたはずの日記が失われており、それを補完する意味で、筑摩書房『高村光太郎全集』の第13巻に、この2年分が収められています。
そちらの記述がこちら。
一月廿七日
〔受〕ストーヴ一揃、運送屋岡本さんがソリにて運びくる、北海道八森虎太郎氏より贈られしもの、但し小屋にては使用不能につき、学校に寄附のつもりで学校に届けてもらふ、
さすがにこの山小屋ではストーブは設置できなかったようです。