来年1月―といっても、もう来週から1月ですが―の光太郎関連イベント等も、少しずつご紹介していきます。
 
タイトルの通り、上野の東京国立博物館内―正確には道をはさんで西隣―にある黒田記念館さんが、1月2日(金)、リニューアルオープンします。しばらくの間、耐震工事ということで休館中でした。
 
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「黒田」は黒田清輝。国の重要文化財の「湖畔」(光雲の「老猿」と同時に指定されました)などで有名で、「近代洋画の父」といわれる洋画家です。東京美術学校西洋画科で教鞭を執り、明治38年(1905)から翌年にかけ、欧米留学前の光太郎が同科に再入学していた際に、指導にあたりました。光太郎は同校彫刻家を明治35年(1902)に卒業、研究科に残っていたのですが、西洋美術を根底から勉強し直そうと、西洋画科に再入学したのです。
 
この時、黒田の同僚には藤島武二、光太郎の同級生には藤田嗣治、岡本一平(岡本太郎の父)、望月桂らがいました。教える方も教わる方も、錚々たるメンバーですね。
 
そんな縁もあり、光太郎は昭和7年(1932)、黒田の胸像を制作しました。同館にはその像が現存しています。この像は、ここと、東京芸術大学大学美術館さんと、二点だけしか鋳造されていないのではないかと思います。昨年開催された「生誕130年 彫刻家高村光太郎」展では、芸大さんのものをお借りしました。
 
さて、リニューアルオープンですが、以下の日程になっています。
 
2015年1月2日(金) ~ 2015年2月1日(日) 開館時間:9:30~17:00 
休館日:月曜日(祝日・休日の場合は開館、翌火曜日休館)
 
 
館内には「湖畔」が展示されている「特別室」があり、こちらは常時公開ではなく、以下の日程でオープンです。
 
第1回:2015年1月2日(金)~1月12日(月・祝)
第2回:2015年3月23日(月)~4月5日(日)
第3回:2015年10月27日(火)~11月8日(日)
 
 
また、先述の光太郎作「黒田清輝胸像」は「黒田記念室」の入り口に常時展示されます。室内は黒田作品で、6週間ごとに展示替えだそうです。
 
観覧料は無料です。ぜひ足をお運びください。
 
 
【今日は何の日・光太郎 補遺】 12月27日
 
昭和28年(1953)の今日、ラジオ放送のため、美術史家・奥平英雄との対談「芸術と生活」(原題「彫刻と人生」)が録音されました。
 
オンエアは翌年1月7日。文化放送でした。
 
以前にも書きましたが、かつてはカセットテープで市販されていました。「矍鑠(かくしゃく)」という表現が適当かどうかわかりませんが、数え71歳の光太郎、十和田湖畔の裸婦群像(通称乙女の像)の除幕を終え、今後の展望を比較的元気に語っています。