昨日は港区麻布十番に行って参りました。
詳細がよくわからなかったので、事前にご紹介しませんでしたが、以下の展覧会が開催中です。
装幀画展Ⅱ~文学とアートの出逢い~
会 期 : 2014年11月19日(水)~11月30日(日)
会 場 : パレットギャラリー 港区麻布十番2-9-4
時 間 : 11:00~19:00
本の装幀は、文学を彩る美術として、古くから多くの人に愛され続けています。
23人の作家が自由に好きな本を選び、その装幀画を描いていただきました。
展示では、原画とともに装幀カバーに仕立てた文庫本を展示します。
個性あふれる作品と文学とのコラボレーションを楽しんでいただけたら幸いです。
というわけで、オリジナルの装幀(ブックデザイン)の展覧会です。
出典作家・作品は上記画像にも載せましたが、文字にします。その方がネット検索にひっかかりますので。
石居麻耶 パパ・ユーアクレイジー(ウィリアム・サローヤン・訳伊丹十三)
岩淵華林 この闇と光(服部まゆみ)
宇野亜喜良 悪魔の辞典(ピアス/西川正身・編訳)
大竹彩奈 氷点(三浦綾子)
大谷郁代 猫を抱いて象と泳ぐ(小川洋子)
蟹江杏 杏っ子(室生犀星)
財田翔悟 魍魎の匣(京極夏彦)
新藤杏子 春と修羅(宮澤賢治)
高橋千裕 失楽園(ジョン・ミルトン)
田嶋健太郎 智恵子抄(高村光太郎)
立木美江 山月記(中島敦)
中西静香 小さいおうち(中島京子)
中原亜梨沙 金子みすゞ詩集(金子みすゞ)
名古屋剛志 サヨナライツカ(辻仁成)
成田朱希 偽偽満州(岩井志麻子)
新倉佳奈子 草迷宮(泉鏡花)
野村直子 第七官界彷徨(尾崎翠)
深瀬優子 お縫い子テルミー(栗田有起)
まちゅまゆ 鏡の中の鏡(ミヒャエル・エンデ)
宮本順子 宮澤賢治童話集(宮澤賢治)
桃田有加里 供述によるとペレイラは……(アントニオタブッキ)
山科理絵 カイン"自分の弱さに悩む君へ"(中島義道)
山城有未 ZOO1(乙一)
芸大日本画科ご出身の、田嶋健太郎氏という方が「智恵子抄」を出展なさっています。ありがたや。
「智恵子抄」というと、大正浪漫ふうの縞の着物に日傘、手にはレモン、といったところがお約束ですが、そういう固定観念にとらわれていないところが、かえっていいと思いました。
他の出展作家の皆さんも、それぞれに力のこもった作品です。一人一点、というところで、妥協がないような気がしました。上記リストにある通り、古今東西の作品からのインスパイアとなっている点も良いと思います。
いつも同じようなことを書いていますが、数十年後、「高村光太郎? 誰、それ?」、「『智恵子抄』? 知らないなぁ……」ということにならないことを祈ります。
今週末まで開催されています。ぜひ足をお運びください。
【今日は何の日・光太郎 補遺】 11月27日
昭和7年(1932)の今日、東京美術学校講堂で「黒田清輝胸像」が除幕されました。
光太郎肖像彫刻、一つの頂点です。
しかし、この年、智恵子が自殺未遂。その後、完全に夢幻界の住人となり、光太郎もその対応に追われ、しばらくは彫刻も非常に寡作の時期が続くことになります。