昨日は福島の相馬方面へ行って参りました。
 
第一の目的は、邦楽奏者、浜根由香さんのコンサートです。題して「浜根由香 東北を謳う」
 
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第二の目的については、また明日書きます。
 
目的地は福島県南相馬市。福島第一原発のある大熊町の北ですが、先月、国道6号線の通行止めが解除されたので、アクセスが容易になりました。そのあたりについても明日書きます。
 
 
会場は南相馬市民文化会館ゆめはっと。瀟洒な建物です。中に入って驚きました。渡辺えりさんの「天使猫-宮澤賢治の生き方-」のポスターが。そういえば、福島公演の会場がこちらでした。紹介しておきながらすっかり忘れていました。
 
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 いいコンサートでした。
 

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1曲目が、「あれが阿多多羅山/あの光るのが阿武隈川」で始まる、光太郎詩「樹下の二人」に故・小山清茂が作曲したもの。箏・唄ともに浜根さんの独奏です。当方、ホールで箏の独演を聴いたのは初めてでしたが、マイク等一切使わず、生の演奏だったので驚きました。もっとも、ホールが小ホール的な「多目的ホール」というところでしたが、それだけに臨場感がすごく感じられました。
 
2曲目が「遠野」。柳田国男の『遠野物語』の一節に唯是震一氏が作曲したもの。三弦(三味線)と唄で、やはり浜根さんの独奏でした。最近、京極夏彦さんリメイクの『遠野物語』を読んだので、興味深く聴きました。
 
3曲目に、宮城道雄作曲の「瀬音」。浜根さんと、お弟子さんの中島裕康さんのデュエットです。唄はなく、浜根さんが箏、中島さんが十七絃。箏はリードギター、十七絃はベースギターのようだと思って聴きました。
 
プログラム最後、4曲目で、浜根さん編曲のメドレー「赤とんぼ・もみじ・小さい秋みつけた」。樋口雅礼瑤さんが加わって、お三方での合奏でした。ちょうど秋。いい感じでした。
 
その後、浜根さんと、今回のコンサートを企画された地元南相馬の佐藤英明さんのトーク、そしてアンコール的にプログラム外に3曲演奏がありました。佐藤さんの唄でサザンの「希望の轍」、インストゥルメンタルで「大きな古時計」、「少年時代」。会場の皆さんも、存分に楽しまれたようでした。
 
先日もご紹介しましたが、ライブ録音が手に入ります。復興支援も兼ねているそうです。是非お買い求めを。
 
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南相馬という街、原発事故前の常磐線が全線健在だった頃に列車で通過したり、すぐ南の小高町に行ったりしたことがありましたが、南相馬自体には初めて行きました。コンサート開演より早く着いてしまったので、歩いてみましたが、なかなかいい感じの街でした。当方の大好きなレトロな建物が残っています。
 
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特に、コンサート会場・ゆめはっとのすぐ隣が「野馬追通り銘醸館」という施設で、ミニテーマパークのようになっており、みどころです。何棟かある建物自体も明治、大正、昭和戦前のものです。
 
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「昭和蔵」という建物は、内部に昭和30~40年代が再現されていました。
 
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先述の通り、国道6号の通行止めが解除となり、アクセスが便利になりました。ぜひ足をお運び下さい。
 
明日は隣接する相馬市などのレポートを書きます。
 
追記  浜根由香さんは、平成28年(2016)6月、胃ガンのため亡くなりました。謹んでお悔やみ申し上げます。
 
【今日は何の日・光太郎 補遺】 10月20日002
 
昭和31年(1956)の今日、龍星閣から光太郎著『赤城画帖』が刊行されました。
 
光太郎没年の追悼出版的なものですが、元は明治37年(1904)に、群馬の赤城山を訪れた光太郎が描いた画帖です。
 
鉛筆スケッチ28枚、さらに明治期に赤城を詠んだ短歌が多数収録されています。解説はスキーヤーの猪谷六合雄。光太郎が赤城で定宿としていた猪谷旅館の子息です。
 
右の画像が『赤城画帖』。白っぽいのは、例によってパラフィン紙をかけてあるせいです。