昨日は東小金井にて音楽ユニットotoyomiさんのコンサートを聴いてまいりました。
題してotoyoMuseum 四ノ館『智恵子抄』。いいコンサートでした。
ユニットのメンバーは、朗読・歌が宝木美穂さん、テルミンで大西ようこさん、マリンバの今井万里子さん。そこにゲストで和太鼓・江上瑠羽さんが加わった美女4人のステージでした。
二部構成で、第一部が「智恵子抄」。大西さんの構成、清道洋一氏作曲のオリジナル作品で、『智恵子抄』中の詩10篇+αを、テルミン、マリンバ、和太鼓の伴奏で、宝木さんが歌ったり語ったりさらに踊ったりという流れでした。
詩は「人に」、「樹下の二人」、「あなたはだんだんきれいになる」、「あどけない話」、「人生遠視」、「風にのる智恵子」、「千鳥と遊ぶ智恵子」、「値ひがたき智恵子」、「レモン哀歌」、「亡き人に」。フィナーレには短歌も使われました。
先日行われた、やはり大西さんご出演の「もうひとつの智恵子抄」は、曲間に語り、というかレクチャーを交えながらの構成でしたが、今回は始めから終わりまでぶっ通しで行う、ある種、音楽劇のような感じでした。
宝木さんの熱演、そして伴奏お三方の、それぞれの楽器の特徴を最大限に生かしての熱のこもった演奏。素晴らしいものでした。清道氏の作曲も、緊張感のある導入、そして中盤の夢幻界をさまよう智恵子の表現ではテルミンの不気味な感じが効果的に使われ、終盤の智恵子逝去に際しては逆にさわやかな曲想と、工夫が凝らされていました。
今日が命日である智恵子への、よい供養となったと思います。
「もうひとつの智恵子抄」レポートの時にも書きましたが、残された光太郎、『智恵子抄その後』、十和田の裸婦像といったあたりでの続編を期待します。
第二部はうってかわってア・ラ・カルト的な楽しいステージでした。宮澤賢治の「銀河鉄道の夜」をモチーフにした「ふたつの子守唄」、ステージに画像を映し小林煌氏の木版画をインスパイアした「ととんととん」。江上さんの和太鼓VS今井さんのスネアドラムで「太鼓バトル」、やはり清道さんアレンジのジャジーな「山寺の和尚さん」、そして震災復興支援ソング「花は咲く」otoyomi アレンジヴァージョン。
4人のみなさんが、ほんとうに楽しんで演奏されている様子が伝わってきて、これぞ「音楽」と感じました。
当方も本日、ステージに立ちます。といっても音楽ではなく、智恵子の故郷・二本松で行われる第20回レモン忌で、記念講演を仰せつかっております。参加者の多くが智恵子の顕彰活動に携わったりされている地元の方ですので、ここ10年ほどの間に新たに見つかった智恵子資料-写真、絵画、書簡など-を紹介する予定です。
全国のみなさん、今日は智恵子の命日「レモンの日」です。智恵子に思いを馳せて下さい。よろしくお願いいたします。
【今日は何の日・光太郎 補遺】 10月5日
平成14年(2002)の今日、NHKラジオ第2放送で「NHKカルチャーアワー文学と風土 東京文学探訪~大正・昭和を見る、歩く」が始まり、第1回として「原始の太陽 高村光太郎と智恵子を結びつけた場所*千駄木・西日暮里界隈」がオンエアされました。
先ほどから書いている通り、今日は智恵子の命日「レモンの日」ですが、それについては昨年の今日、書きましたので別のネタで攻めます。
一般向けの教育番組で、講師は元近畿大学教授の井上謙氏でした。この番組では、翌年の第23回「想い遙かに 高村光太郎・智恵子が眠る染井霊園あたり*巣鴨・駒込界隈」でも光太郎智恵子がメインで取り上げられました。
テキストも発行されました。古書市場で入手可能です。