一昨日、たまたま立ち寄ったコンビニで、コミックの単行本を買いました。
思い出食堂 特別編集 旅の味 なつかしい人々
2014年5月5日 少年画報社 定価 476円+税
廉価ないわゆるコンビニコミックです。初版は今年5月でしたが、重版が並んでいました。
北は北海道から、南は沖縄まで、「旅の味」をテーマに、「佐世保バーガー」や「ほうとう」、「ゴーヤーチャンプル」など、各地の名物料理等をあつかった、29本の読み切りマンガから成っています。おおむね、各10ページです。
で、「浪江焼きそば」の中で、光太郎詩「樹下の二人」がモチーフに使われています。
これを購入したコンビニでは、立ち読み防止のために、ビニールのパッケージに入れられていました。
しかし、表紙に「浪江焼きそば」の文字を見つけ、「もしかすると、二本松や『智恵子抄』がらみの話になっているかも」と思い、購入しました。
帰ってから読んでみると、まさしくビンゴ。こういうときは痛快です。
物語は、「浪江焼きそば」を看板メニューにしていた食堂の夫婦が、東日本大震災の犠牲になり、パン屋を開くのが夢だった息子が、自分の夢と、両親から受け継いだ「浪江焼きそば」の味を合体させ、「浪江焼きそばパン」を作る、というものです。
と、書いているだけで、食べたくなってしまいますが、どうやら架空のメニューのようです。
そもそも、「浪江焼きそば」とは、福島県双葉郡浪江町のご当地グルメ。極太の麺を使うのが特徴です。昭和30年(1955)頃には、すでにあったとのこと。
浪江町は、福島第一原発のある双葉町に隣接しており、東日本大震災後、町全域が「帰還困難区域」となりました。
そして、多くの町民は二本松市に避難し、町役場も二本松市に仮庁舎を設置、今もその状態が続いています。上記画像は今年の4月現在のもの。震災から3年経っても、まだこの状態です。こういう状態でいながら、なぜ再稼働にこだわるのか、理解に苦しみます。そんなに原発が好きなら、永田町に作って下さい。
約20軒あった、「浪江焼きそば」を饗する店も、再開できたのは、二本松駅前の市民交流センター1階の「杉乃家」さんだけだそうです。
【今日は何の日・光太郎 補遺】 7月12日
明治40年(1907)の今日、農商務省の海外実業訓練生に任ぜられました。
光太郎は前年から欧米留学中で、この時、ロンドンにいました。もともと私費留学、現地で生活費を工面という苦学生でしたが、光雲の奔走により、海外実業訓練生任命となりました。レポートの提出が義務づけられましたが、代わりに毎月60円ずつ支給されるようになり、ぜいたくはできないものの、とりあえずの心配はなくなりました。