板橋区在住の坂本富江さまから情報を頂きました。
 
『東京新聞』さんにノンフィクション作家・大野芳さんの「幻の女優 マダム・ハナコ」という連載があるとのことで、切り抜きも送って下さいました。
 
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だいぶ前のこのブログでご紹介しましたが、「ハナコ」とは明治末から大正にかけ、欧州各地で日本人一座を率いて公演を続け、各地で絶賛された日本人女優です。
 
明治元年(1868)、岐阜県の生まれ。本名・000太田ひさ。旅芸人一座の子役、芸妓、二度の結婚失敗を経て、明治34年(1901)、流れ着いた横浜で見たコペンハーゲン博覧会での日本人踊り子募集の広告を見て、渡欧。以後、寄せ集めの一座を組み、欧州各地を公演。非常な人気を博しました。明治39年(1906)、ロダンの目にとまり、彫刻作品のモデルを務めます。
 
花子とロダンとの交流は、大正6年(1917)のロダン死去まで続き、ロダンが作った花子の彫刻は数十点。大正10年(1921)、花子はそのうち2点を入手し帰国、岐阜に帰ります。
 
ロダンと関わった数少ない日本人の一人というわけで、昭和2年(1927)、光太郎が岐阜の花子を訪問。この時の様子は同じ年、光太郎が刊行した評伝『ロダン』に描かれています。
 
昭和20年(1945)、花子、死去。やがて人々から忘れ去られていきます。
 
大野さんの「幻の女優 マダム・ハナコ」、ドナルド・キーンさんによる花子遺族の訪問を軸に描かれていますが、光太郎と花子の交流についても触れられています。連載の6回目にあたる4/22には、光太郎から花子宛の書簡の写真が掲載されていました。
 
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さて、ネットでいろいろ調べてみたところ、大野さんの「幻の女優 マダム・ハナコ」は系列の『中日新聞』さんでも連載されているようですし、新潮社さんから刊行されている雑誌『新潮45』の4月号に大野さんの同名の記事が載っています(早速注文しました)。
 
「花子」といえば朝ドラの「花子とアン」での村岡花子さんが旬ですが、もう一人の「花子」にも注目していただきたいものです。ちなみに余談になりますが、「花子とアン」、当方の住む千葉県香取市でもロケが行われています。 吉高由里子さん演じるヒロインの花子が、初恋の相手の帝大生に別れを告げるシーンや、花子のお父さん役の伊原剛志さんが社会主義伝道をしているシーンなど。
 
さて、記事を送って下さった坂本富江さんは、智恵子も所属していた太平洋画会の後身・太平洋美術会さんの会員です。来月には第110回太平洋展が開催され、坂本さんは智恵子の故郷・二本松に近い三春の滝桜の絵を出品なさるとのこと。
 
会場は六本木の国立新美術館、会期は5/14(水)~26(月)です。ぜひ足をお運びください。
 
【今日は何の日・光太郎 補遺】4月27日

明治24年(1891)の今日、光雲が東京美術学校から「楠正成銅像」模型主任を命ぜられました。
 
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