昨日夕刻にNHK総合で放映された「特集 小さな旅「山の歌」」を拝見しました。昨秋放映された「シリーズ山の歌 秋 ほら、空が近くに~福島県安達太良山~」を含む「小さな旅」の総集編でした。
 
安達太良山の項では、昨秋の放映でも使われていた光太郎・智恵子のエピソードがカットされずに使われていました。その後は安達太良山で訓練中の地元・安達高校山岳部女子部員の話でした。
 
今日の夕刻には、BSフジさんで「旅するハイビジョン 全国百線鉄道の旅 第85回「北へ向う大幹線 東北本線」の放映があります。また銚子に出かける用事があるので、リアルタイムでは見られませんが、録画予約をしておきました。番組説明には高村光太郎の詩で有名な安達太良山」の語がありましたので、期待しています。
 
ところで過日、二本松市出身の日本画家、故・大山忠作氏のご息女、大山采子さん(女優・一色采子さん)からお手紙を頂きました。4/2の第58回連翹忌にご出席下さった御礼状をお送りしたのに対してのご返信でした。
 
その中に、俳句が一句。曰く、
 
連翹忌 亡父(ちち)知る婦人(ひと)の 細き杖
 
連翹忌には、光太郎の甥にあたる高村規氏をはじめ、大山忠作氏をご存知の方がいらしたようで、その中の杖をつかれた老婦人を詠まれたようです。
 
ちなみに市販の気の利いた歳時記には、「連翹忌」が春の季語として登録されています。
 
「おそまつ」とありますが、いやいやどうして、毛筆の流れるような筆跡で、内容的にも感動しました。
 
さらに大山さん、お父さまの描かれた、安達太良山をあしらった一筆箋(30枚組)を同封してくださいました。大切に使わせていただきます。

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さて、過日の『福島民報』さんに、安達太良山の麓、国道4号線沿いの「道の駅安達智恵子の里」に関するニュースが載りましたので、ご紹介します。  

万燈桜幻想的な姿 来月6日まで

福島民報 4月11日(金)9時45分配信
 福島県二本松市の道の駅「安達」智恵子の里下り線内にある万燈(まんとう)桜のライトアップが10日、始まった。5月6日まで、幻想的な夜桜が浮かび上がる。
 道の駅開所一周年記念イベント「万燈桜まつり」に合わせて企画した。初日は点灯式が行われ、道の駅を運営する二本松市振興公社長の新野洋市長がスイッチを入れた。毎日午後6時から午前零時まで明かりがともる。
 万燈桜は樹齢270年で高さ約15メートルの一本桜。花は咲き始めの状態だという。
 桜まつりは4月末まで。期間中の土・日曜日に二本松市産のコメや風船アート作品のプレゼントなどがある。
 問い合わせは道の駅 電話0243(24)9200へ。
 
他にも二本松周辺には桜の名所がたくさんあります。霞ヶ城、安達ヶ原公園、岳温泉の桜坂などなど。智恵子生家・智恵子記念館と併せて足をお運び下さい。
 
【今日は何の日・光太郎 補遺】 4月13日

大正13年(1924)の今日、『読売新聞』に詩「春駒」が掲載されました。
 
  春駒
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三里塚の春は大きいよ。
見果てのつかない御料牧場(ごれうまきば)にうつすり
もうあさ緑の絨毯を敷きつめてしまひ、
雨ならけむるし露ならひかるし、
明方かけて一面に立てこめる杉の匂に、
しつとり掃除の出来た天地ふたつの風景の中へ
春が置くのは生きてゐる本物の春駒だ。
すつかり裸の野のけものの清浄さは、野性さは、愛くるしさは、
ああ、鬣に毛臭い生き物の香を靡かせて、003
ただ一心に草を喰ふ。

かすむ地平にきらきらするのは
尾を振りみだして又駆ける
あの栗毛の三歳だらう。
のびやかな、素直な、うひうひしい、
高らかにも荒つぽい。
三里塚の春は大きいよ。
 
当方の住む千葉県香取市のお隣、成田市の三里塚にかつてあった、皇室の御料牧場を訪れて書かれた詩です。この近くに光太郎の親友で作家の水野葉舟が移り住んでいました。
 
画像は三里塚に建つ「春駒」詩碑です。